[健康福祉-SA-1] 前-ヘルスリテラシー時代の保健科教育
<演者略歴>
東海大学体育学部准教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科満期退学。博士(体育学)。東洋大学助教、東京理科大学助教を経て現職。日本スポーツ社会学会理事。専門はスポーツ社会学、統治性論。現在は、主にスポーツ・メガイベントや、スポーツや健康と親密圏の関係性について研究をしている。
東海大学体育学部准教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科満期退学。博士(体育学)。東洋大学助教、東京理科大学助教を経て現職。日本スポーツ社会学会理事。専門はスポーツ社会学、統治性論。現在は、主にスポーツ・メガイベントや、スポーツや健康と親密圏の関係性について研究をしている。
近年、生理のための衛生用品や教育、衛生施設、そして廃棄方法に対して十分にアクセスできない状態が「生理の貧困(Period Poverty)」として問題視されている。とりわけ、新型コロナウイルス感染症の拡大は、小売業や飲食業などの女性従業員比率の高い職場での失業や収入減をもたらすとともに、この問題が途上国だけのものでないこと、健康的な生活を送る条件においてジェンダーによる差異があることも顕在化させた。健康をめぐる科学的認識と実践的能力の発達を謳う保健科教育において、こうした「女性」特有の健康問題は、これまでどのように、あるいはどの程度、取り上げられてきただろうか。本報告では過去から現在までの保健科の教科書における月経の記述を分析し、その歴史と現在を確認する。それを踏まえた上で、知識の実践性を強調するヘルスリテラシー概念が、今後、十全に機能するための諸条件について考察してみたい。