日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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スポーツ文化研究部会 » 【課題A】グローバル課題の解決に向けてスポーツから何が提案できるか

スポーツ文化研究部会【課題A】口頭発表①

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:34 RY303 (良心館3階RY303番教室)

座長:榎本 雅之(滋賀大学)、河西 正博(同志社大学)

10:35 〜 10:49

[スポーツ文化-A-02] ノルベルト・エリアス「フィギュレーション」論の現代的意義に関する予備的考察(社)

ジークハルト・ネッケル『地位と羞恥』を導きとして

*村下 慣一1 (1. 立命館大学)

スポーツにおける「不平等」、換言すれば「疎外」の問題を考える時、「疎外への順応」と形容できるような現状が確認される。それゆえ、「スポーツを通じて社会的な不平等を是正できるか?」ということを議論の俎上に据える際、スポーツの場における「不平等」がどのように生成されてきたのか、ということを方法論的に問うこと、すなわち、こうした「疎外」の生成過程やその超克の契機を描き出す試みが、要求される。スポーツ・体育社会学における理論潮流の動向を踏まえると、こうした問題関心は、主にマルクス主義系の論者が担ってきた、といえる。
本報告では、この問題関心を共有し、また起点としたうえで、マルクス主義的なアプローチとは別の方法論的視角の確立を志向したい。そこで、参照枠とするのが、ノルベルト・エリアス「フィギュレーション」論である。ただし、エリアスおよびエリアス学派は、スポーツ社会学に限らず、多くの論者によって、その方法論的課題が提起されてきた。それゆえ、報告者は、単にエリアスの方法論を紹介するのではなく、その現代的意義について、探索的に再考した中間考察を踏まえて、報告したい。
以上の点を踏まえて、本報告では、ドイツの感情社会学における泰斗であるジークハルト・ネッケルの博士学位請求論文『地位と羞恥』を導きとして、ノルベルト・エリアス「フィギュレーション」論の現代的意義に関する考察を深めたい。