日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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スポーツ文化研究部会 » 【課題A】グローバル課題の解決に向けてスポーツから何が提案できるか

スポーツ文化研究部会【課題A】口頭発表①

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:34 RY303 (良心館3階RY303番教室)

座長:榎本 雅之(滋賀大学)、河西 正博(同志社大学)

11:05 〜 11:19

[スポーツ文化-A-04] 茨城県霞ヶ浦の流入河川である新川の川面の浮遊物をカヌーで収集した調査報告(保,教,発)

*橋爪 和夫1 (1. 学校法人筑波学園アール医療専門職大学)

【目的】本研究は、茨城県霞ケ浦の流入河川である新川が霞ヶ浦に接する付近の浮遊物の状況を調査することである。
【方法】2022年10月から12月に5回カヌーで川面の浮遊物を採集した。採集物はカメラで撮影して、①飲料容器②プラスチック③発泡スチロール④ビニール⑤缶(飲料以外)⑥生活用品⑦スポーツ用品に分類した。飲料容器は①ノンアルコール②アルコールに分類し、さらに、①蓋付②蓋無③缶(コーヒー、紅茶、清涼飲料)④缶(アルコール)⑤瓶に分類した。採集物は土浦市の決まりに従って、燃えるゴミと不燃ゴミに仕分けて処分した。
【結果】各採集日の個数は、それぞれ、91個、75個、141個、179個、365個で合計851個であった。内訳は飲料容器392個(46%)、プラスチック容器311個(36.5%)、発泡スチロール35個、ビニール22個、生活用品46個、スポーツ用品12個であった。また、採集日5回の内3回で成人用CDがあった。飲料ペットボトルは245個が蓋付で23個が蓋無であった。缶でノンアルコールは50個でアルコールは17個であった。ガラス瓶はノンアルコール12個、アルコール5個であった。1回から4回までは飲料容器数がプラスチック製品よりも多かったが、5回目は飲料用品よりもプラスチック製品のほうが多かった。
【考察】霞ヶ浦は海と通じておらず、水質の悪化が懸念されている。河面や湖面の浮遊物の除去についてはほとんど手つかずの状況である。今回のサンプル調査から霞ヶ浦の約500m上流地点の浮遊物は飲料ペットボトルが約半数であり、プラスチック製品と合わせると約8割になることがわかった。川面や湖面で収集したペットボトルや缶はリサイクルができなくて燃やせるゴミか不燃ゴミになるという問題の所在もわかった。