日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表③

2023年8月30日(水) 11:25 〜 12:09 RY305 (良心館3階RY305番教室)

座長:綿引 清勝(東海大学)

11:25 〜 11:39

[生涯スポーツ-A-07] 放課後等デイサービスの指導者が運動指導場面において困難感を抱える心理的プロセスの類型化(ア)

複線経路・等至性モデル(TEM)による分析をもとに

*髙橋 一真1、澤江 幸則2 (1. リーフラス株式会社、2. 筑波大学 体育系)

近年、発達障害児の放課後の居場所として放課後等デイサービスの利用が大幅に増加している。しかしながら、支援の担い手である指導者は、その支援に対して困難さを感じていることが明らかとなっている(板川,2018;木村ら,2019)。そのなか、運動・スポーツ種目を療育に取り入れている事業所は少なくなく、同じように困難さを感じていることが指摘されている(小崎ら,2022)。これまでに、運動指導場面に焦点を当てて、指導者が困難感を抱える心理的プロセスを検討した研究は散見の限り見当たらない。そこで、本研究では、放課後等デイサービスの指導者が運動指導場面において困難感を抱える心理的プロセスを明らかにするために、心理学的ストレスモデル(Lazarus & Folkman,1984)に依拠して検討することを試みた。
その目的を達成するために、まず事前調査により、放課後等デイサービスにおいて発達障害児への運動指導に携わっている指導者を選定した。その後、選定された指導者に対して、運動指導場面にて経験した困難事例をもとに、半構造化されたインタビュー調査を複数回実施した。インタビュー項目は、心理学的ストレスモデルをもとに6項目設定した。得られた結果は、複線経路・等至性モデル(TEM)により分析し、TEM図を作成した。TEM図を作成する際には、2回目以降のインタビュー調査において、事前に作成したTEM図を対象者に見せながら発言の意図や内容などを確認した。そうすることで、筆者と対象者の意見が一致するTEM図を完成させた。
以上の結果をもとに、放課後等デイサービスの指導者が困難感を抱える心理的プロセスやその影響要因を検討した。さらに本研究では、TEM図を類型化することで、困難感を抱える心理的プロセスにはどのようなパターンがあるのかについて考察することを試みた。