日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表②

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:04 RY306 (良心館3階RY306番教室)

座長:内田 匡輔(東海大学)

10:20 〜 10:34

[生涯スポーツ-A-04] 大学生による部活動支援ボランティアに関する一考察(教)

大学生の部活動指導者としての可能性と限界

*笠井 義明1、木村 駿介1、清宮 孝文1 (1. 静岡産業大学スポーツ科学部)

静岡県教育委員会は2010年から「大学生による部活動支援ボランティア事業(以下「本事業」という。)」を実施しており、大学生の部活動指導補助者の配置を希望する中学校や高等学校で、大学生が部活動の指導補助者として活動してきている。学生の旅費や傷害保険加入を県教育委員会が負担する。 現在進められている「学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行」においては、指導者の確保は大きな課題となっており、そこに大学生の参加を期待する声は大きく、大学としても地域貢献の観点からその期待に応えることは極めて重要だと捉えている。しかし本事業において、これまでの13年間で延べ378の学校部活動からの依頼に対し、実際の指導に当たった学生は延べ155人(充足率41%)であり、現場のニーズに十分には応えられていない状況がある。また、各学校での学生の指導回数が、本事業の上限である20回を超えている学生がいる一方で、指導回数が2,3回にとどまっている学生もおり、学生の取組にはバラツキが見られる。 本研究は、学生が本事業に積極的に参加するための要因及び指導を継続できなくなる要因を明らかにし、部活動改革における指導者の確保、特に大学生を指導者として確保していくために必要となる条件を把握することを目的とする。 研究方法については、本事業に参加した学生2名にインタビュー調査を実施し、その分析を行った。調査時期は2023年5月である。 調査の結果、大学生が部活動指導に参加し続ける要因としては、当該部活動の顧問教員の存在が極めて大きいこと、指導を継続できない理由として、ボランティアとしては荷が重たすぎると感じることなどが挙げられた。 発表当日は、調査結果を報告するとともに、改革推進期間1年目の部活動改革において、成長途上の大学生を指導者として確保する際の留意点について考察し発表する。