日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題A】トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】口頭発表③

2023年8月30日(水) 11:25 〜 12:09 RYB1 (良心館地下1階RYB1番教室)

座長:内田 若希(九州大学)

11:55 〜 12:09

[競技スポーツ-A-11] 学生アスリートのメンタルヘルスに関する研究(心)

チームスポーツの事例調査

*堀野 博幸1、並木 伸賢2 (1. 早稲田大学、2. 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科)

現在、競技スポーツで活動するアスリートのメンタルヘルスが注目されている。近年の研究では、現役トップアスリートのうちメンタルヘルスに課題を抱える者の割合が30%を越えることが報告されている(Gouttebarge et al., 2019)。そのような状況から、それらメンタルヘルスに課題を抱えるアスリートへのサポートの重要性が指摘されている。その一方、競技スポーツのアスリートに関するデータ蓄積と多様な視点からのメンタルヘルスに関わる分析評価が課題となっている。そこで本研究では、競技スポーツで活動する学生アスリートのメンタルヘルスについて、チームスポーツに注目して調査を行った。調査では、同一種目で所属リーグの異なるチームに所属する学生アスリート男性184名に対し、webアンケート(Kessler 6 scale日本語訳版、Baron Depressing Screener of Athletes日本語版)を実施した。
 その結果、所属クラブ内でパフォーマンスレベル別に分けられる所属カテゴリによってメンタルヘルスに差異が存在することが明らかとなった。その一方、所属リーグによる際は認められなかった。本研究の結果から、チームスポーツアスリートにおけるメンタルヘルに対し、チーム内での競技レベルによる階層が大いく影響することが示唆された。今後は、競技特性の異なる多種目のアスリートに対しても同様の調査を広げていくことが課題となろう。