日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題C】ハイパフォーマンススポーツ(トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表③

2023年8月30日(水) 11:25 〜 12:24 RY103 (良心館1階RY103番教室)

座長:丹治 史弥(東海大学)

11:40 〜 11:54

[競技スポーツ-C-10] 陸上競技800m選手の体力とパフォーマンスの関係(生)

*菅原 遥1、榎本 靖士2 (1. 筑波大学大学院、2. 筑波大学)

目的:800m選手の無酸素及び有酸素性能力とパフォーマンスの関係から、体力とパフォーマンス及びそのペース配分との関係を明らかにすること。方法:対象者は、800m選手24名(男子15名、女子9名)とした。対象者に屋外の陸上競技場で60mの最大スプリントテストを、最大酸素摂取量における走スピード(vVO2max)を明らかにするために実験室内のトレッドミル上で漸増負荷テストを実施した。またパフォーマンスを対象者の800m走のシーズンベスト記録平均スピード(v800)とし、ペース配分の指標を800m走の前半と後半400mのタイム比(タイム比)とした。対象者の最大スプリントスピード(MSS)、vVO2maxとv800、タイム比から選手の体力とパフォーマンス及びペース配分との関係を検討した。結果:MSSとv800には、有意な正の相関関係がみられた(全体:r=0.92 p<0.01、男子:r=0.77 p<0.01、女子:r=0.67 p<0.05)。vVO2maxとv800の間には選手全体では、有意な正の相関関係がみられたが(r=0.80 p<0.01)、男子選手では有意な相関関係はみられず(r=0.20 p=0.47)、女子選手では有意ではないものの正の相関傾向がみられた(r=0.59 p=0.096)。MSSとvVO2maxの和とv800には有意な正の相関関係がみられた(全体:r=0.94 p<0.01、男子:r=0.81 p<0.01、女子:r=0.71 p<0.05)。タイム比とMSS、vVO2maxとの間には有意な相関関係はみられなかった。結論:800m選手の無酸素性能力をMSS、有酸素性能力をvVO2maxで評価した結果、無酸素及び有酸素性能力とパフォーマンスの間には関係がみられたが、体力の特性とペース配分との関係は弱いことが明らかになった。