競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表②

[競技スポーツ-C-08] サッカーにおけるマークを外すプレーの成否に影響を与える要因の解明（方）

相手守備組織内に侵入したプレーを対象として

*Kensuke Suzuki¹, Ryuji Sasaki², Hideyuki Yoza², Yusuke Hirashima³ (1. International Budo Univ., 2. Tokai Univ., 3. Shizuoka Univ.)

サッカーにおける得点機会獲得には、攻撃時に相手守備組織内に侵入すること、および相手守備組織内でシュートコースに相手守備者がいないノーマークの状況を作ることが重要であり、これらのことがJリーグの課題であることを明らかにした（鈴木ほか，2018；2019）。 これら一連の研究によって、得点機会獲得には相手守備組織内でノーマークの状況を作る＝マークを外す技能の習得が重要であること、マークを外す技能習得法の開発の必要性が示された。 マークを外す技能習得法の開発には、まずマークを外すための有効なプレーを明らかにする必要があるが、マークを外すプレーに言及した文献は指導書のような定性的見解が多い。そこで、本研究の目的は、マークを外すプレーの成否に影響を与える要因の解明とした。
FIFAワールドカップ2018のグループステージ48試合における相手守備組織内に侵入した795プレーを対象とした。先行研究からマークを外すプレーに影響を与える可能性のある22項目を抽出し、それらの分析項目を用いて記述的ゲームパフォーマンス分析を行なった。統計処理にはロジスティック回帰分析を用いた。
その結果、マークを外すプレーに影響を与える要因は、「動き出しタイミング：パス出し手がボールを受ける前」・「ボール受けエリア」・「パスが出てからの守備組織侵入選手の移動距離」・「パス距離」・「守備組織侵入選手より前にいる味方選手の人数」であった。