日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題A】大学体育の授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題A】口頭発表③

2023年8月30日(水) 11:25 〜 12:09 RY201 (良心館2階RY201番教室)

座長:大林 太朗(筑波大学)

11:55 〜 12:09

[学校保健体育-A-11] スノーシューと大学体育に関する一考察(教)

信濃町における森林セラピーのスキー実習への導入を通して

*早坂 一成1 (1. 名古屋学院大学)

本研究では、信濃町黒姫高原で行われた大学のスキー実習においてスノーシューを実施し、その教育的、社会的な効果をあきらかにするためインタビュー調査を中心に行った。本学スポーツ健康学部は「幼児から高齢者までを対象とした、生涯スポーツを通しての健康づくりと維持・増進について学び、実践できる人材の養成」を教育目標としてキャリキュラムポリシーを展開している。その中で2010年の学部発足より、学部共通科目としてスキー実習をアルペンスキーの技能習得を中心に行ってきた。しかし2019年度からの感染症拡大の影響で、3年間、閉講を余儀なくされた。それらの経緯から2022年より実習地域も変更をして開講の運びとなった。その際、前述の教育目標をもとに実習の意義を見直し、森林セラピーの一種であるスノーシューを実習の一部に組み入れた。近年のテクノストレスの増加に加え、コロナ禍による精神的なストレスを軽減するため、自然へ回帰するような社会的な行動と認知は再考されるべきである。特に実習地である信濃町黒姫高原は癒しの森推進事業を2006年よりこなっており、森林セラピーのプログラムを提供している。このプログラムは学校から企業までを対象とし、森の観察やフィールドワークを通して自然環境と生き物のつながりを理解することが目的である。このプログラムを大学のスキー実習初日に組み入れ、対象学生にインタビュー調査を行い、その効果をあきらかにした。さらに雪上にとどまらず、夏季のアウトドア実習でも教育的アクティビティーとしての導入がどのように影響するかを探った。