11:05 〜 11:19
[学校保健体育-C-04] 状況判断能力の発達過程における知識構造の変化について(教)
バスケットボール初心者が3対2の局面を解決するまでの縦断的分析から
状況判断能力に優れたオープンスキルの熟練者は、豊富な量の知識だけではなく高度に構造化された知識を記憶の中に持っていると考えられる。したがって、状況判断能力を高めるには、記憶内にある知識構造を改善しなければならない(中川、2000)。
そこで、本研究では、バスケットボールを対象として、状況判断能力の発達過程における知識構造の変化を説明するための基礎的知見を得ることを目的とした。
バスケットボール初心者の大学生3名に、ハーフコートでの3対2をディフェンスが守り切ることの出来ない状況を意図的に創り出すことのできるようになるまで繰り返し行わせ、プレイ毎の振り返りや作戦会議における味方への指示内容等について記録するとともに、自身の視点から撮影された映像を見せながら遂行した状況判断の理由を尋ねるインタビュー調査を行った。
これらを窪田(2001)の仮説する「状況判断能力の構成要因とその関係」に基づき、状況判断の過程(情報獲得能力、認知能力、予測能力、決定能力)、判断基準、判断の前提にあるゲーム状況の認識、戦術の理解、時空間の認識、過去の経験の観点から、その量的拡大と質的向上の様子、ならびに、宣言的知識の蓄積と手続き的知識への変換の様子を縦断的に分析した。なお、遂行された状況判断の適否は、シュート時の状況(得点期待値の高い場所からのシュートか、ノーマークでのシュートか)等から評価した。
その結果、初期段階においては、判断基準(例:今のプレイは本当によかったのか)や、状況判断の過程における認知(例:ディフェンスの位置が思っていたよりも近い)に関する内容が多く抽出され、判断基準が曖昧な間はプレイの適否を評価できず、認知した内容の解釈ができないことがうかがわれた。このことから、よい状況判断のできる基底的要因には判断基準があり、その確立に前後して認知・予測能力が変化していくものと考えられた。
そこで、本研究では、バスケットボールを対象として、状況判断能力の発達過程における知識構造の変化を説明するための基礎的知見を得ることを目的とした。
バスケットボール初心者の大学生3名に、ハーフコートでの3対2をディフェンスが守り切ることの出来ない状況を意図的に創り出すことのできるようになるまで繰り返し行わせ、プレイ毎の振り返りや作戦会議における味方への指示内容等について記録するとともに、自身の視点から撮影された映像を見せながら遂行した状況判断の理由を尋ねるインタビュー調査を行った。
これらを窪田(2001)の仮説する「状況判断能力の構成要因とその関係」に基づき、状況判断の過程(情報獲得能力、認知能力、予測能力、決定能力)、判断基準、判断の前提にあるゲーム状況の認識、戦術の理解、時空間の認識、過去の経験の観点から、その量的拡大と質的向上の様子、ならびに、宣言的知識の蓄積と手続き的知識への変換の様子を縦断的に分析した。なお、遂行された状況判断の適否は、シュート時の状況(得点期待値の高い場所からのシュートか、ノーマークでのシュートか)等から評価した。
その結果、初期段階においては、判断基準(例:今のプレイは本当によかったのか)や、状況判断の過程における認知(例:ディフェンスの位置が思っていたよりも近い)に関する内容が多く抽出され、判断基準が曖昧な間はプレイの適否を評価できず、認知した内容の解釈ができないことがうかがわれた。このことから、よい状況判断のできる基底的要因には判断基準があり、その確立に前後して認知・予測能力が変化していくものと考えられた。