12:10 〜 12:24
[学校保健体育-C-08] 幼児期における動感発生の契機に関する発生運動学的研究(教,方,スポーツ運動学)
動きや技の系統性については学習指導要領解説において丁寧に説明されており、ある動きや技が他の動きや技とどのようにつながり、どのように発展していくのかが明示されている。新しい動きの発生には、似た動きの経験という感覚的な素材が必要である。学習指導要領解説では、その素材となる「動きかた」が具体的な例として示されている。しかし、新しい動きを覚えようとする動機づけには、似た動きの経験だけでなく、器具や用具の素材や硬さ柔らかさについての身体的な経験も重要な役割を果たす。つまり、身体経験を通した感覚の記憶は、過去に経験した「動きかた自体」だけでなく、「用具の素材や硬さ柔らかさ」の経験をも含めて新しい動きの発生(動感発生)に関わるものである。
幼児期には自発的な活動としての遊びを通して次々と新しい動きかたを身につけていく。われわれ大人の場合は、過去の似た動きの感じを能動的に思い出しながら(再想起)、身体各部の動かし方を知的理解によってある程度詳細に組み立ててから練習することが多い。それに対して幼児の場合には、再想起ではなく、これまでの身体経験に基づいて過去把持されたぼんやりとした感覚(空虚形態)やイメージ(空虚表象)から遊びの中で受動的に動きを発生させていくといわれる。
本研究では器械運動と関連の深い動きに焦点を当て、いくつかの例証を挙げながら幼児期に特徴的な動感発生の契機についてその深層地平に考察を加える。
幼児期には自発的な活動としての遊びを通して次々と新しい動きかたを身につけていく。われわれ大人の場合は、過去の似た動きの感じを能動的に思い出しながら(再想起)、身体各部の動かし方を知的理解によってある程度詳細に組み立ててから練習することが多い。それに対して幼児の場合には、再想起ではなく、これまでの身体経験に基づいて過去把持されたぼんやりとした感覚(空虚形態)やイメージ(空虚表象)から遊びの中で受動的に動きを発生させていくといわれる。
本研究では器械運動と関連の深い動きに焦点を当て、いくつかの例証を挙げながら幼児期に特徴的な動感発生の契機についてその深層地平に考察を加える。