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[学校保健体育-B-03] 中・高等学校における「体育理論」の授業実施状況と授業実施に当たっての課題等(教)
「ワクワクするぞ、知のスポーツ」というキャッチフレーズで、平成20年告示の学習指導要領において、中学校で各学年3単位時間以上、高等学校で各学年6単位時間以上を割り当てて実施することになった「体育理論」について、平成29・30年告示の学習指導要領では、その内容がさらに詳しく具体的に示され、使用教科書も一新された。授業実施率の向上や授業の質の向上が期待されるが、その実態や新たに見出された課題等については明らかにされていない。そこで、授業実施状況と授業実施に当たっての課題等を明らかにすることを目的として、全国の公立中・高等学校の保健体育教員に対するアンケート調査を実施した。
「体育理論」を単元として実施している教員は中80.6%、高57.1%であり、その平均授業時数は中3.1単位時間、高4.7単位時間であった。実技等と合わせて、またはその中で実施、さらには未実施という実態も見られた。未実施最多の理由は、中・高ともに「時間が取りづらい」であった。授業実施については、各校における教育課程の見直し、年間指導計画への確実な位置付けを図ること等の必要性があると考えられる。「体育理論」の実施に何らかの困り感を抱える教員は中・高ともに90%超であった。「時間が取りづらい」の他、「教材」に関する内容が多く挙げられるとともに「運動することが重要」という実技を重んじる考えが根強いこと、必要性を感じないという考えが少なからずあることも明らかとなった。中・高等学校の保健体育教員が捉えている課題として、生徒にとっては教科書の内容が興味関心にそぐわなかったり、難しすぎたり易しすぎたりすること、教員にとっては教材の研究や開発、その時間を確保すること、実技との関連を図ることや評価をすることの難しさ等が挙げられる。生徒・教員双方の課題解決を目指した教材や授業モデルの開発の必要性があると考えられる。
「体育理論」を単元として実施している教員は中80.6%、高57.1%であり、その平均授業時数は中3.1単位時間、高4.7単位時間であった。実技等と合わせて、またはその中で実施、さらには未実施という実態も見られた。未実施最多の理由は、中・高ともに「時間が取りづらい」であった。授業実施については、各校における教育課程の見直し、年間指導計画への確実な位置付けを図ること等の必要性があると考えられる。「体育理論」の実施に何らかの困り感を抱える教員は中・高ともに90%超であった。「時間が取りづらい」の他、「教材」に関する内容が多く挙げられるとともに「運動することが重要」という実技を重んじる考えが根強いこと、必要性を感じないという考えが少なからずあることも明らかとなった。中・高等学校の保健体育教員が捉えている課題として、生徒にとっては教科書の内容が興味関心にそぐわなかったり、難しすぎたり易しすぎたりすること、教員にとっては教材の研究や開発、その時間を確保すること、実技との関連を図ることや評価をすることの難しさ等が挙げられる。生徒・教員双方の課題解決を目指した教材や授業モデルの開発の必要性があると考えられる。