日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表③

2023年8月30日(水) 11:25 〜 12:24 RY203 (良心館2階RY203番教室)

座長:原 祐一(岡山大学)

11:40 〜 11:54

[学校保健体育-B-10] インベージョンゲームにおける「攻撃」と「防御」の捉え方に関する研究(教)

*渡部 颯斗1、鈴木 秀人2 (1. 東京学芸大学附属小金井中学校、2. 東京学芸大学)

インベージョンゲームに関わる議論において、「攻撃」と「防御」双方の概念はその要点である。なぜならば、各種目のゲーム構造や戦術、また学校体育における戦術学習といった議論は、これらの概念を柱とした上でなされているためである。
 「攻撃」と「防御」双方について、「攻撃」とは「ボールを所有する側」「得点しようとすること」と、また、「防御」とは「ボールを所有しない側」「得点を阻止しようとすること」とする捉えは、多くの人々に共有されている。しかしながらインベージョンゲームにおいて、ボールを所有する側でも相手に奪われないようにボールを守っているのであれば、それは「防御」として、対するボールを所有しない側が相手のボールを奪い取ろうとすれば、それは「攻撃」として捉えられるのではないかと思われる。つまり、従来の捉え方では「攻撃」と「防御」とは何かを適切に説明していない可能性がある。
 ここに「攻撃」と「防御」とは何かを改めて問う根拠を見出せるわけだが、これまでこの問題に対する議論は十分になされてこなかったように思われる。では、インベージョンゲームに関わる議論は、従来「攻撃」と「防御」をいかに捉えてきたのであろうか。
 そこで本研究は、「攻撃」と「防御」の捉え方の変遷を整理し、従来なされてきた捉え方の特徴について検討することを目的とした。
 その結果、次第に捉え方が多様化していく状況にありながらも、その中心は「得点に関わる行為」や「ボールの所有」を視点とした捉え方であるということが明らかとなり、そうした「攻撃」と「防御」の捉え方は従来変わってきていないことが指摘された。そして、捉え方の多様化それ自体が「攻撃」と「防御」とは何かを不明瞭にするとともに、その理解に矛盾を生じさせているということが明らかとなった。