The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表②

Wed. Aug 30, 2023 10:20 AM - 11:19 AM RY204 (良心館2階RY204番教室)

Chair: Jyunji Hosogoe

10:20 AM - 10:34 AM

[学校保健体育-B-05] ツイート内容分析による不登校と体育との関連についての探索的研究(ア)

*Yukinori SAWAE1, Mayu Kaneko2 (1. Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, 2. Master's Program in Physical Education, Health and Sport Sciences, University of Tsukuba)

健康な生活を営み、より豊かなスポーツライフを営むことは国民に求められるひとつであり、それは不登校児であっても保障されなければならない。そのなか不登校児の相談や支援において体育に対するネガティブな発言が聞かれる。一方で体育授業のみ参加できる不登校児の事例がある。以上から不登校児にとって望ましい体育授業や体育活動のあり方を検討する必要があると考えた。しかしながら不登校児の意識を直接聞き取ることに難しさがある。そこで仮説生成を目的にTwitterによって発信されたツイート内容を分析することを試みた。高度検索において「不登校」と「体育」のキーワードを入れ、2022年5月1日から2023年4月31日まで、日本語、返信とリンクを含まずに条件設定して検索した。その結果、最近の話題のみを対象とし1,068件がヒットした。そのうち当事者および保護者であることがツイート内容やプロフィールからわかったもの、ツイート内容が体育授業や体育を担当している者が含まれていたものをハンド・リサーチした結果、当事者によるものが102件、保護者によるものが161件であった。これらを小学校期と中学校期以降の時期ごとと、不登校がはじまる状態(初期状態)から不登校を脱しようとする状態(後期状態)までの不登校状態ごとにツイート内容をテキスト分析した。その結果、保護者と当事者との間で体育授業に対する捉え方に違いがみられた。また小学校期と中学校期以降を比較したところ、体育に対する肯定的関連性について、特に初期状態において違いがみられた。その一方で、後期状態においては、体力低下に関する内容と進学や単位取得を動機とした関連性において、時期による明確な違いがみられなかった。これらの結果を、Sen(1985)によって構築されたケイパビリティ・アプローチを援用して、不登校児にとって望まれる体育における支援について検討を試みた。