日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表②

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:19 RY204 (良心館2階RY204番教室)

座長:細越 淳二(国士館大学)

11:05 〜 11:19

[学校保健体育-B-08] ダンス領域におけるコンタクト・インプロヴィゼーションの実践について(教)

*齋藤 萌々子1 (1. お茶の水女子大学大学院)

コンタクト・インプロヴィゼーション(Contact Improvisation、以下「C.I.」と略す)とは、1972年にアメリカの舞踊家スティーブ・パクストンが「接触を通して可能となるコミュニケーションの探求」を即興の焦点として始めた、ダンスの即興形式(福本 2000他)である。これまでに体ほぐしの運動やダンス/身体表現の授業の一環として、また課外活動の文脈で、高校生または大学生を対象としたC.I.の指導事例がある(相馬・細川 2006; 相馬 2006a; 相馬 2006b; 岡野 2007; 麻生 2010; 丸山 2015; 齋藤 2023)。そこでは、自己の身体感覚へと意識を向けることや身体を介した他者とのコミュニケーションを体感すること等の学習目標が掲げられ、学習者の身体を通した自他への気づき等が報告されている。しかし、このようなC.I.の活動が、どのようにしてダンスの学習へと繋がっていくのかについて言及している研究は少ない。そこで本研究は、ダンス領域における学習指導の難しさの1つとして指摘される恥ずかしさの克服に着目し、C.I.がダンス領域の学習に資する意義を考察することを目的とする。研究方法は、文献研究である。まず、中高生を対象としたダンスの授業において、学習者が恥ずかしさを感じる要因や、それを取り除くための学習指導法として挙げられている事例、及びそこでの学習者間の自他関係を整理する。加えて、高校または大学でC.I.指導実践を報告する事例を参照し、C.I.の活動と学習者の恥ずかしさが関連している部分があるのかを捉える。結果として、恥ずかしさの要因として挙げられる他者からの視線が、C.I.では自他という2者における関係により軽減され得ることなどが捉えられる。これらを踏まえて、C.I.の学習が可能とし得る学習者の自他関係及びダンス学習への影響を考察していく。