The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

学校保健体育研究部会 » 【課題C】体育・スポーツ健康科学は学校保健体育の進展にいかに貢献できるか

学校保健体育研究部会【課題C】口頭発表④

Thu. Aug 31, 2023 9:00 AM - 9:59 AM RY206 (良心館2階RY206番教室)

Chair: Keiji Matsuda

9:30 AM - 9:44 AM

[学校保健体育-C-15] 体育授業における認識学習が運動有能感に及ぼす影響(教)

小学校高学年の走り高跳びの実践

*Osamu Osamu1 (1. TENRI UNIVERSITY)

本研究は,体育授業の学習課題となる運動技術について,個人の感覚やイメージを言語化したものを共有し,その中から自分の意識しやすいものを選択して具体化させて取り組ませることによって,児童の運動有能感を高めることを目的に行った.対象は小学校6年生の「走り高跳び」であり,「助走」「踏み切り」「空中動作」の局面において意識する内容を具体化できるように単元を計画した.
実践の結果, 走り高跳びの記録はクラス全体平均で高まり,「身体的有能さの認知」「統制感」「受容感」「運動有能感合計」の得点は単元を通して高まった.要因としては,意識して取り組むことを具体化することによって自らの運動に期待や見通しが持てたこと,記録の更新だけでなく自らの動きの変容から上達を実感できたこと,動画による比較によってそれがより鮮明に認知できたことが考えられる.
「受容感」については交互作用に有意差がみられた.個人の感覚やイメージを言語化したものをお互いに尊重し,多様な表現を出し合えたことが,受容感の下位群にとってより鮮明に認知されたため,有意な得点の高まりに影響を及ぼしたと考えられる.
ただ本実践は,小規模学級での実践であったため,このような認識学習が運動有能感に及ぼす影響について異なる学級や学年においても検討を加え,継続的に実践的研究を進めていかなければならない.