[健康福祉-SB-2] 没入型バーチャルリアリティによる半側空間無視に対するリハビリテーション支援機器の開発
<演者略歴>
神経リハビリテーション・リハビリテーション工学。首都大学東京大学院人間健康科学研究科修了、博士(学術)。最先端・次世代研究開発支援プログラム研究員(PD)、早稲田大学グローバルロボットアカデミア研究所研究助手、早稲田大学理工学術院総合研究所研究院講師・同研究院客員准教授を経て、2021年より現職。厚労省障害者自立支援機器等開発評価委員、厚労省自立支援機器イノベーション人材育成事業評価委員等 。
神経リハビリテーション・リハビリテーション工学。首都大学東京大学院人間健康科学研究科修了、博士(学術)。最先端・次世代研究開発支援プログラム研究員(PD)、早稲田大学グローバルロボットアカデミア研究所研究助手、早稲田大学理工学術院総合研究所研究院講師・同研究院客員准教授を経て、2021年より現職。厚労省障害者自立支援機器等開発評価委員、厚労省自立支援機器イノベーション人材育成事業評価委員等 。
脳血管障害後に生じる半側空間無視(USN)とは、大脳半球病巣と反対側の視空間領域に存在する刺激を発見し、反応することができなくなる高次脳機能障害である。われわれは、バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて、USN患者における無視領域を3次元的にマッピング化する技術を開発してきた。本システムの特徴は、無視症状が乖離するとされる近位(身体近傍空間)・遠位(身体外空間)の双方において、3次元的に無視領域を視覚化・定量化できることである。また、左USN患者は注意が非無視側に引き寄せられ、頸部や視線が常に非無視側を向く傾向が強い。この症状はMagnetic attraction(MA)として知られており、発症初期のUSN患者における特徴的な症状である。この問題に対するあらたな介入手法として、非無視側からの注意の「解放」と無視側への注意の「移動」を同時に誘導するための可動スリットシステムを併せて開発した。本シンポジウムでは、われわれが実用化した没入型VRを用いたUSNに対する3次元的評価および介入システムについて、患者に対する使用例と併せて紹介したい。