日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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健康福祉研究部会 » 【課題B】認知機能の維持・改善に運動・スポーツはいかに貢献するか

健康福祉研究部会【課題B】口頭発表②

2023年8月31日(木) 09:00 〜 09:59 RY302 (良心館3階RY302番教室)

座長:根本 みゆき(筑波大学)

09:45 〜 09:59

[健康福祉-B-08] 足趾チョキ動作の定量的評価による足趾機能評価の可能性(測)

*安部 征哉1,2、権野 めぐみ3、野村 照夫3、来田 宣幸3 (1. びわこリハビリテーション専門職大学、2. 京都工芸繊維大学大学院、3. 京都工芸繊維大学)

<緒言>足趾の運動機能については手指の運動と比較して動作的な分析は不十分である。そこで本研究ではリハビリ場面で実施されているトレーニングおよび評価法を参考にして足趾の運動機能を定量的に評価する方法を考案しその条件間で比較することを目的とした。<方法>対象は健常な女性16名(16~17歳)とした。対象者は椅座位で足底を床に接地させた状態で足趾の上げ下ろしをおこなった。条件は(1)全足趾を最大背屈させる条件(パー条件)、(2)第2~5趾を最大背屈させ母趾を床に接地させる条件(母趾下チョキ条件)、(3)母趾を最大背屈させ第2~5趾を床に接地させる条件(母趾上チョキ条件)とした。また動作中は股関節と膝関節が90度になるように座り両膝間にボールを挟んだ。動作データの収集には三次元動作解析装置(OptiTrack V120 DUO)を用い母趾および第2趾の末節骨遠位部と中足骨遠位部等に反射マーカーを貼付した。分析では足趾上の反射マーカーについて床に対して垂直方向への移動距離を求めた。<結果・考察>パー条件の移動距離は母趾で3.9 ± 0.6 cm、第2趾で4.4 ± 0.6 cmであった。パー条件に対するチョキ条件での移動距離は母趾下条件の第2趾で72.3 ± 11.4 %(3.1 ± 0.6 cm)、母趾上条件の母趾で81.7 ± 13.1%(3.2 ± 0.6 cm)であった。チョキ条件はパー条件と比較して移動距離が短く、長母趾伸筋や長趾伸筋の分離運動の難しさが反映していると考えられる。また、母趾下条件の母趾の移動距離は6.1 ± 4.3 %(0.2 ± 0.2 cm)、母趾上条件の第2趾では33.3 ± 25.4%(1.5 ± 1.2 cm)であった。以上のように、動かすべき足趾がどの程度動いているのか、動かしてはいけない足趾がどの程度動いているのかを定量的に評価することで、足趾チョキ動作は足趾の運動機能を定量化できる可能性が示された。