[スポーツ文化-SB-3] 体育授業において男女が共に学ぶこと
<演者略歴>
日本体育大学児童スポーツ教育学部教授。日本スポーツ教育学会理事長。(公財)日本学校体育研究連合会理事。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻博士課程修了 博士(体育科学)。白鴎大学を経て現職。専門は体育科教育学、スポーツ教育学。
日本体育大学児童スポーツ教育学部教授。日本スポーツ教育学会理事長。(公財)日本学校体育研究連合会理事。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻博士課程修了 博士(体育科学)。白鴎大学を経て現職。専門は体育科教育学、スポーツ教育学。
現行の中学校学習指導要領解説保健体育編では、「体力や技能の程度及び性別の違い等にかかわらず、仲間とともに学ぶ体験は、生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現に向けた重要な学習の機会であることから、原則として男女共習で学習を行うことが求められる」(文部科学省,2018)といった記載があり、男女が同じ場で共に学ぶことを強く推奨している。こうした施策の背景には、共生社会の実現やジェンダーの問題等の現代的な課題がある。しかし、長年、学校現場で男女別習を展開してきた保健体育教師たちの間には、この施策に対する賛否が見られており、批判的な声も少なくない。男女が共に学ぶことについては、その意義を理解しつつも、体力や運動能力の差異、、安全性、動機づけ等の生徒の資質・能力の視点から批判的な見解を持つ教師も多い。また、生徒の男女比率や教師側の指導の不慣れ等の組織・運営上の視点、さらには、教師自身が男女共習の授業経験を生徒としてしてきたかなど、教師の経験の視点もあり、様々な議論が展開されている。
こうした論議を踏まえ、今回のシンポジウムでは、以下の三つの話題に触れたいと考えている。
一つ目は、学びの保証の視点である。男女が共に学ぶことを想定した場合、男女を別習とするのか共習とするのか、といった組織の問題のみならず、生徒にとってどのような学びをもたらすか、個々の生徒の学びはどう保証されるものか、という視点からも議論が必要であると考える。その際、包摂性(Inclusion)、公正性(Equity)という視点も踏まえて検討をしていく。二つ目は、我が国の体育授業におけるジェンダー問題についてOECDが発行した報告書の内容について触れる。三つ目は、可能であれば所属先大学の授業の取り組みについて触れる。
こうした論議を踏まえ、今回のシンポジウムでは、以下の三つの話題に触れたいと考えている。
一つ目は、学びの保証の視点である。男女が共に学ぶことを想定した場合、男女を別習とするのか共習とするのか、といった組織の問題のみならず、生徒にとってどのような学びをもたらすか、個々の生徒の学びはどう保証されるものか、という視点からも議論が必要であると考える。その際、包摂性(Inclusion)、公正性(Equity)という視点も踏まえて検討をしていく。二つ目は、我が国の体育授業におけるジェンダー問題についてOECDが発行した報告書の内容について触れる。三つ目は、可能であれば所属先大学の授業の取り組みについて触れる。