日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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スポーツ文化研究部会 » 【課題C】多様なスポーツ文化の保存・流通・促進をいかに刷新していくか

スポーツ文化研究部会【課題C】口頭発表②

2023年8月31日(木) 13:30 〜 14:29 RY304 (良心館3階RY304番教室)

座長:尾川 翔大(岐阜薬科大学)

13:30 〜 13:44

[スポーツ文化-C-05] プロスポーツ観戦の満足度を高めるデジタルサイネージの活用法とは?(経)

国内プロバスケットボールチームの良好事例に着目して

*郭 威1、田中 琢也1、渡部 宙1、山田 泰行1 (1. 順天堂大学)

プロスポーツ観戦に訪れた観客の満足度を高める上で、デジタルサイネージの最大活用を はかることは有意義である。スタジアムやアリーナに設置されたデジタルサイネージは、 選手紹介、スポンサー紹介、リプレイ、ルール説明などのコンテンツで試合を盛り上げる 重要な役割を果たしている。先行研究では、プロスポーツリーグにおけるデジタルサイネ ージの活用法として、会場案内、広告・宣伝、施設情報の提示、チケット販売、デジタル メニューボード、VIP 案内の6点が報告されている。このようなデジタルサイネージ活用 の良好事例を収集し、その効果的な活用方法を検討することは、満足度の高いプロスポー ツイベントを実現する上で不可欠である。日本でも、観客の満足度を高めるために様々な 方法でデジタルサイネージが活用されているが、その有効性のエビデンスや、良好事例の 蓄積は乏しい。本研究では、日本のプロスポーツチームが開催するホームゲームを対象に、 デジタルサイネージがどのように活用されているかを明らかにすることを目的とした。調 査対象は、B リーグの登録チームのうち、年間集客数がトップクラスである千葉ジェッツ のホームゲームとした。2023 年 4 月に開催されたホームゲーム全 6 試合を対象に、千葉 ジェッツと B リーグの撮影許可を得た上で、会場メインの大型モニターとコート内で生 じるイベントをビデオカメラで撮影した。映像分析を通して、プロスポーツ観戦の満足度 に関連する以下 3 点を明らかにした:①デジタルサイネージに提示されたコンテンツの 種類と提示時間の記述統計、②ファインプレイやファウルなどのイベントをデジタルサイ ネージに提示するまでの平均時間、③デジタルサイネージを切り替える頻度のアクティビ ティ。これらの知見は、集客力の高いプロスポーツイベントを再現する上で有益な資料となり得る。