日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題C】ハイパフォーマンススポーツ(トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】テーマ別シンポジウム/ユース年代アスリートの育成システムとハイパフォーマンススポーツ

2023年8月31日(木) 14:40 〜 16:40 RYB1 (良心館地下1階RYB1番教室)

コーディネーター:越田 専太郎(了徳寺大学)、東浦 拓郎(亜細亜大学)

[競技スポーツ-SC-3] 日本の競技柔道におけるユース年代の育成フレームワーク

*石井 孝法1 (1. 了徳寺大学)

<演者略歴>
了徳寺大学教授。NPOスポーツコーチングアカデミア代表理事。
全日本柔道連盟科学研究部として2005年から柔道ナショナルチームをサポートしている。
専門は、コーチング、バイオメカニクス、情報分析.元JOC専任情報科学スタッフ、元全日本空手道連盟サポートゼネラルマネージャー。
日本の国際競技力の変化は、オリンピックや世界選手権大会のメダル数の変遷から大まかに読み取ることができる。柔道競技においては、男女で国際競技力の変化が大きく異なる。オリンピック競技大会に採用された1964年以降、競技柔道の国際普及が急激に進み。世界の国際競技力の水準も非常に高くなってきた。これに合わせて、選手養成制度、タレント発掘・育成システムが形になってきたソ連やドイツが台頭してきたことで、男子は1970年代後半から1980年代にかけて「日本が勝って当たり前」ではなくなり、2000年代が最も厳しい状況であった。女子は、世界選手権大会が始まった1980年以降でみると、1980年代が最も厳しく、2010年代が最も成果をあげており、国際競技力を向上させてきていることがわかる。スポーツ科学やテクノロジーの発展で、国際的に競技の内容は専門化・精緻化され、競技水準の高度化が進んでいるが、日本柔道は2013年以降「世界一」であり続けている。それはなぜか。ここに、ユース年代の育成が強く関係していると考えている。
マクロの視点での調査・研究が少なく、私見が含まれるが、日本におけるハイパフォーマンスアスリート育成の視点そのものの問題点をあげて対話したい。