日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題B】競技スポーツにおけるコーチ養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題B】口頭発表②

2023年8月31日(木) 09:00 〜 09:44 RYB2 (良心館地下1階RYB2番教室)

座長:広瀬 統一(早稲田大学)

09:30 〜 09:44

[競技スポーツ-B-07] 日本の女子バスケットボール選手におけるワンハンドシュートの使用実態調査(生)

各カテゴリのスリーポイントシュートに着目して

*吉川 公明1、三島 隆章2 (1. 大阪体育大学大学院、2. 大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科)

2002年に日本バスケットボール協会は「最終的にワンハンドのシュートが可能になることが理想」として、ワンハンドシュートの習得を推奨した。しかしながら2002年以降、ワンハンドシュートの習得等に関する報告はなく、特に女子選手のスリーポイントシュート(3P)におけるワンハンドシュートの使用状況は明らかにされていない。
 日本の女子バスケットボール選手の3Pに着目し、各カテゴリにおけるワンハンドシュート(OHS)と、ボースハンドシュート(BHS)の使用実態を明らかにすることを目的とした。
 2022年度の中学、高校、大学およびWリーグの各カテゴリの全国大会のベスト8の試合映像を用いて、3PにおけるOHSとBHSの使用人数、シュート本数およびシュート成功率を調べた。その後、カテゴリとシュートフォームを要因とした二元配置分散分析を行い、交互作用および主効果の有無を検討した。
 3Pのシュート本数および使用人数において有意な主効果が認められ(p < 0.05)、全てのカテゴリでOHSと比べ、BHSの方が有意な高値を示した(p < 0.05)。シュート成功率では中学のみ有意な主効果が認められ、OHSと比べBHSの方が有意な高値を示した(p < 0.05)。
 2002年に日本バスケットボール協会が提唱して以降、女子バスケットボール選手の3Pにおいて、OHSの使用率が著しく向上したとはいえず、指導者は長期的な視点でOHSの技術指導を行うことが必要であるといえる。OHSの利点であるシュートへの速さやセットポジションでの高さなどをBHSに取り入れ、OHSへの移行に向けた新たなシュート指導の構築が重要になるものと考えられる。