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[競技スポーツ-C-19] ACTN3遺伝R577X多型と伸張性運動後の血清クレアチンキナーゼ活性との関連性の検討(生)
[背景] ACTN3遺伝子R577X多型におけるXX型は、α-アクチニン3を生成できないことから、運動時の筋細胞の構造的強度に関与し、筋損傷時の血清クレアチンキナーゼ(以下, CK)活性にも影響を与える可能性がある。しかしながら、いずれの研究も対象者が少なく、一致した見解は得られていない。[目的] 95名の若年男女を対象としてACTN3遺伝子R577X多型と伸張性運動後のCK活性の変化との関連性ついて検討する。[方法] 健常な成人男女95名(男性50名、女性45名、22.2±2.3歳)を対象とし、肘関節屈筋群における最大伸張性運動を6回5セット負荷した。CK活性を運動の直前、直後、1、2、3および5日後に評価した。運動直前に対する運動直後のMVCを共変量とする二元配置共分散分析(ANCOVA)により、血清CK活性の経時変化をRR型とRX型(以下, R allele)およびXX型で比較した。[結果] 伸張性運動後のCK活性の経時変化において、遺伝子多型で有意な交互作用が確認された(p = 0.029)。XX型はR alleleと比較して3日後および5日後のCK活性が有意に高かった(3日後: 5333 ± 10128 U/L vs. 2726 ± 5260 U/L, 5日後: 6342 ± 8448 U/L vs. 4271 ± 6014 U/L)。男性では、遺伝子多型で有意な交互作用が確認され(p = 0.022)、XX型はR alleleと比較して5日後のCK活性が有意に高かった(8821 ± 9702 U/L vs. 3930 ± 5843 U/L)。しかしながら、女性においては遺伝子多型で有意な交互作用は認められなかった。[結論] ACTN3遺伝子R577X多型は伸張性運動後のCK活性との関連することが示唆された。さらに、男性でその傾向はより顕著であった。