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[競技スポーツ-C-20] 等尺性筋力トレーニングが力発揮中の筋硬度へ与える影響(生,バ,スポーツ医学)
【背景】力発揮をする際、筋は収縮し硬くなる。このような力発揮中の筋の硬さ(筋硬度)はスポーツパフォーマンスや外傷障害と関連することが示されている。そのため、アスリートの外傷障害予防やパフォーマンス向上の上で力発揮中の筋硬度に着目したアプローチが求められると考えられるが、レジスタンストレーニングによって力発揮中の筋硬度がどのように変化するのかは不明である。【目的】6週間の等尺性筋力トレーニングが、力発揮中の筋硬度へ与える影響を明らかにする。【方法】対象は上肢の運動習慣のない健常成人男性7名(20.1±1.1歳)とし、6週間の等尺性肘関節屈曲トレーニング開始前と3週後、6週後に筋硬度(Strain Ratio; SR)と最大筋力、筋厚を測定し、固有筋力(筋力/筋厚)も評価した。SRは25・50・75%1RM相当の重量を肘関節90度屈曲位で保持させた際にstrain elastographyで測定した。SRは数値が低いほど筋硬度が低いことを示す。【結果】筋力はトレーニング3週後(66.1±11.7Nm)と比較して6週後(73.0±11.8Nm)に高値を示し、SRは25%1RMと50%1RMにおいて3週後(25%: 3.6±1.1; 50%: 3.6±1.1)と比較して6週後(25%: 1.7±1.0; 50%: 1.0±0.6)に低値を示した(p<0.05)。また、3週後において25%1RMの SRと固有筋力の増加率に正の相関がみられた(r=0.94)。【結論】6週間の等尺性筋力トレーニングによって、低強度もしくは中強度の力発揮中の筋硬度が増加することが示された。またトレーニング3週後において、明らかな筋硬度変化はみられなかったものの、低強度の力発揮中の筋硬度変化には固有筋力の増加が関与する可能性が示された。