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[学校保健体育-C-10] 対話的な学びを引き出す協同学習の授業づくり(教)
器械運動における運動嗜好の高い生徒の分析をもとに
本研究では、運動やスポーツをすることが好きであり得意であるものの、体育に対してマイナス思考をもっている「運動嗜好の高い生徒」に焦点を当て、彼らが体育を好きになったり学びを得られたりする授業を検討することを目的とした。そのために、対話的な学びの視点から協同学習を採用し、器械運動の単元から検証した。 第1検証授業は、A中学校第1学年38名のクラスを対象とした。質問調査を基に運動嗜好の高い傾向がみられた生徒2名を抽出し、対象生徒とした。単元は集団マット運動で、クラス全員にICレコーダーを装着し、分析を行った。その結果、抽出生徒は、自分の考えや意見をもっているにも関わらず、双方向的なやりとりになっていなかった点や、周囲に気を遣い自分のやりたいことができないなど周囲の影響を受けていた点が示唆された。また、男女別の関わりが多かったことや女子が男子よりも話し合いに積極的だったことなど男女差があった点がみられた。これらを踏まえ、第2検証授業では、男女のペア学習や社会性の目標設定と自己評価を取り入れた協同学習を実施し、彼らがより仲間と共に学習成果を感じられる授業を検証する。