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[学校保健体育-C-20] 小学生における開脚跳び動作の熟達度の移行ルートの検討(教,測,発)
【目的】小学生の開脚跳び動作の5つの熟達度(佐野他、2019)の類似関係を確認し、熟達度の移行ルートを検討する。【方法】小学3-6年生488名の開脚跳び評価結果に潜在クラス分析を施し、熟達度を示す動作パターンの抽出と対象者の熟達度の分類を行った。次に、評価項目と熟達度を変数としたカテゴリカル主成分分析により動作能力を示す主成分を抽出し、各成分を軸とする散布図から熟達度の類似関係を確認した。また、主成分得点を用いたクラスター分析により各熟達度と近接する評価カテゴリ(動作)を特定した。さらに、散布図に対象者の分布を追加し、熟達度の移行ルートを総合的に検討した。【結果】潜在クラス分析で5パターン(失敗型、腕動作依存型、着地不安定型、安定試行型、切り返し出現型)が抽出された。カテゴリカル主成分分析は、失敗型を含める場合(着手までの項目を使用)と失敗型を除く場合(着地までの項目を使用)で行ったが、どちらも第1主成分に着手・着地動作能力、第2主成分に踏み切り動作能力が抽出された。散布図では、失敗型が他のパターンより着手動作能力が低い位置に布置された。失敗型を除くと、重心座標(第1主成分、第2主成分)で、着地不安定型(-0.6、0.4)と安定試行型(0.2、0.7)が近接し、腕動作依存型(-0.1、-1.4)は踏み切り動作能力が低く、切り返し出現型(3.1、0.9)は着手・着地動作能力が高く布置された。クラスター分析でも、腕動作依存型と切り返し出現型は、各々独立して近接のカテゴリとクラスターを形成したが、着地不安定型、安定試行型及び近接のカテゴリは同一のクラスターに分類された。上記の結果や散布図の対象者の分布を基に、失敗型から着手動作が向上し腕動作依存型へ、そこから踏み切り動作が向上し着地不安定型または安定試行型へ、着手動作が更に向上し切り返し出現型へ熟達度が移行するルートが設定された。