日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表⑤

2023年8月31日(木) 09:00 〜 09:59 RY203 (良心館2階RY203番教室)

座長:細越 淳二(国士館大学)

09:00 〜 09:14

[学校保健体育-B-17] 持久走単元におけるICT機器の利活用(教)

コミュニケーションの活性化をねらいとして

*村瀬 浩二1、梅澤 秋久2 (1. 和歌山大学、2. 横浜国立大学)

これまで持久走単元は、体つくり運動や陸上運動のなかで、タイムやペースを目標として実践されてきた。しかし、このような実践は「つらい」、「きつい」といった印象を多く残してきた。運動の得意な児童・生徒、特に日常的に走っている者は、つらさを克服するトレーニングを経てきており、その耐性も高いであろう。一方で、そのようなトレーニングを経ていない者は、とてもきつく感じてしまい運動を苦手とするきっかけとなりえる。特に持久走は将来、最も手軽に参加できるジョギングにつながるものであり、それに対して強い嫌悪感を生み出すことが想定される。
 本研究は心拍数計を用い、仲間がその心拍数をモニタリングすることで、心拍数をコントロールする声掛けを行う「マイペースランニング」を実践した。これによって、コミュニケーションが生み出され、持久走への態度を向上させることをねらいとした。本実践において、ほとんどの子どもたちの心拍数は200を越しており、主観的運動強度においても「かなりきつい」レベルに達していた。そのため、「抑えて」「もっとゆっくり」といった子ども同士のコミュニケーションが生み出された。本研究はその単元で得られた感想を分析し、子どもたちの持久走に対する態度の変化を明らかにする。