日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表⑤

2023年8月31日(木) 09:00 〜 09:59 RY203 (良心館2階RY203番教室)

座長:細越 淳二(国士館大学)

09:15 〜 09:29

[学校保健体育-B-18] N-感覚的アプローチとスポーツ教育モデルのハイブリッドモデルの実践提案(教)

マット運動の授業を通して

*成家 篤史1、青木 憲吾2 (1. 帝京大学、2. 白岡市立篠津小学校)

本研究ではN-感覚的アプローチとスポーツ教育モデルのハイブリッドモデルによってマット運動を実践した。提案に際して、問題のある行動をとる子ども(タケシ・仮称)に着目した。タケシに対し、どのような指導を行い、どのように変化したのかということを検討することを通して、N-感覚的アプローチを子どもの人間教育に寄与させるにはどのような工夫が必要かということを考察した。
 対象は小学6年生でスポーツ教育モデルの導入方法として、シンクロマット発表会(卒業祭)実施した。卒業祭とし、6年生最後の授業参観に保護者を招き、シンクロマットをはじめ、ソーラン節と組体操、跳び箱運動を組み合わせた演目を披露し、これまでの学習の成果と成長を保護者に見せることにした。
 授業を実践してみて、子どもたちが真剣に取り組み甲斐があるテーマ設定の重要性が挙げられる。スポーツ教育モデルの長期的な単元計画の中で、クライマックスに子どもたちが真剣になる必要感が生じるイベントを設定する必要があった。そのため、本実践では卒業祭と銘打って、保護者を招待し、これまでの学習の成果と成長を保護者に見せるという明確なテーマを設定した。そのことにより、子どもたちにとって目標が明確になり、子ども同士の助け合いや学び合いが促された。
 教師は子ども同士の関係性が健全であるために授業の導入でアウェアネストークを行い、授業の中盤で人間教育に関する振り返りを行い、子どもたちの関係性に配慮しながら授業を展開した。アウェアネストークは子どもに意識づけるためであったが、結局は教師自身の行動を律し、子どもへの働きかけにもブレが起きにくい作用があった。その意味でも、アウェアネスト―クは重要であり、話した内容を常に子どもたちの目に見えるところに掲示しておくことで効果が増すと考える。タケシの変化の詳細については当日発表する。