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[03心-口-05] 大学スポーツチームを対象としたチームビルディングプログラム実施による効果の検討
スポーツチームが掲げる目標を達成するためにはチームが一丸になり、切磋琢磨することが必要になる。とりわけ、大学スポーツにおいては学生自身が自立し、主体的に競技へ関わり、チームメンバーと良好な関係性を築きながら協同していくことが重要である。そのためには心理的安全性を高め、学生自身が積極的に競技に関わるようなエンゲージメントを向上させるような施策が求められている。本研究は、大学スポーツチームの選手・スタッフを対象にチームビルディング(TB)を実施し、その効果を協同作業認識、心理的安全性、アスリートエンゲージメントの側面から検討することを目的とした。TBは首都圏に在籍する大学硬式野球チームの1軍メンバーに対して、主に組織開発ツールを用いたプログラムを、2022年8月14日、15日の合計2日間実施した。分析にはTBプログラムの介入前後に行った質問紙調査の回答データを用いた。また、統制群としてTBプログラムを実施しない同チームの2軍メンバーにも同様に質問紙調査を行った。最終的に、81名(1軍34名、2軍47名、平均年齢19.99歳(SD=1.25, Range=18-23))を分析対象とし、TBの介入前後で比較・検証を行った。結果として、TBプログラムの介入群においては協同作業認識の3つの下位因子の内2つ(協同効用因子、個人志向因子)及び心理的安全性、アスリートエンゲージメントの4つの下位因子(自身、専念、活力、熱狂)において介入前から後にかけて有意な差が認められた。 以上より、大学スポーツチームに対するTBプログラムによる介入の有効性が示された。