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[03心-口-13] ドイツ連邦共和国と日本サッカーの心理的競技能力の比較研究
ブンデスリーガU21選手に着目して
ドイツ・ブンデスリーガはプロサッカーリーグ1部リーグであり、1試合平均で4万人を越す観客動員数で、世界一の観客動員数である。Jリーグもブンデスリーガをモデルとして設立されている。ブンデスリーガ2022-23は、2022年8月5日~2023年5月27日まで行ったが、技術、体力の2つと、そのベースとなる心理面での重要度は増している。そのため、現在では各クラブの各カテゴリーにメンタルトレーナーが帯同し、選手のサポートを熱心に行っている。しかしながら、日本サッカー界で心理面での重要性を理解し、クラブに取り入れているJリーグクラブはほとんど見られない。実際、Jリーグで活躍している選手たちは、心理面での重要性を既に理解し、その時々で実践し結果を出してきている。 そこで、本研究では、競技力向上のためにブンデスリーガU21選手(以下;ドイツ選手)とJ2/J3リーグ選手やJFL/9地域リーグ選手(以下;日本選手)の心理的競技能力診断検査(以下;DIPCA.3)の比較を行うことを目的とした。 その結果、ドイツ選手は、日本選手と比較して5尺度(自信と自己実現意欲、決断力、予測 、判断力)に優れていた。しかしながら、4尺度(闘争心、自己コントロール、リラックス、集中力)は、極端に低かった。このことから、ドイツ選手は、5尺度の自身の目標を達成するために自己実現意欲を持ち、ハイレベルな試合の中で、自信、決断力、予測 、判断力が常に要求される展開であるため高い数値になったと考えられる。一方で、ドイツ選手のDIPCA.3の4尺度が低かった要因としては、実施した日程がリーグの終盤を迎えた3月末の時期であった。そのため、試合に出場出来ない状況が続いているドイツ選手にとって来季に向けての不安と期待が入り混じった心理状態であったためであると考えられる。