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[06経-口-04] 健康経営が従業員の創造性およびワーク・エンゲイジメントに及ぼす影響
【背景】Health and Productivity Managementが提唱されて以降、スポーツエールカンパニー(スポーツ庁)や健康経営(経済産業省)など、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践するという取組みが注目を浴びている。【目的】運動実施や健康経営に関する取組みは、従業員の職場での創造性発揮やワーク・エンゲイジメントにどのような影響を及ぼすのかを明らかにすること。【方法】株式会社クロスマーケティングに登録されているパネルの中から、第三次産業に従事する正規雇用の従業員(20~59歳)を対象にウェブ調査(全国サンプリング)をおこなった。調査期間は2022年10月~11月であった。ストレートラインカットとトラップ項目などから、正確に回答していると判断できる2,000名(男女各1,000名、平均年齢40.22±10.83歳)を本研究の対象とした。アンケートには年齢や最終学歴、業種・職種、勤続年数等の個人属性を問う項目、運動実施および健康経営に関する項目、UWES (Shimazu et al. 2008)を用いた。創造性発揮の評価には、Creative work involvement Scaleを基に丸山ら(2022)が作成した6項目を採用した。【主要な結果】職場での創造性発揮とワーク・エンゲイジメント尺度の平均値をカットオフ値として高群と低群に分け、運動実施および健康経営に関する項目を独立変数として、二項ロジスティック回帰分析によりオッズ比(COR)を算出した。その結果、創造性の発揮と「会社が従業員の健康維持・増進に取組んでいる」と「運動やスポーツの実施」に有意な関連が認められた。ワーク・エンゲイジメントと「このところ健康だと思う」、「運動不足を感じる」、「会社が従業員の健康維持・増進に取組んでいる」、「運動やスポーツの実施」に有意な関連が認められた