日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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体育社会学/口頭発表③

2023年9月1日(金) 14:10 〜 15:01 RY303 (良心館3階RY303番教室)

座長:笹生 心太(東京女子体育大学)

14:10 〜 14:35

[02社-口-06] 中学生年代における柔道人口の減少について

日本中学校体育連盟の加盟数に着目して

*星野 映1、田村 昌大2、増地 克之3、石井 孝法4、山本 幸紀5 (1. 早稲田大学、2. 帝京科学大学、3. 筑波大学、4. 了徳寺大学、5. 法政大学)

近年多くのスポーツで、少子化などを要因とみる若年層の競技人口減少が問題化している。とりわけ柔道では、他のスポーツと比べて中高生年代の人口減少が顕著であるとされる。
 実際、全日本柔道連盟(以下、「全柔連」とする)の登録者数は2004年度から2022年度の間に8万人近く減少しているが、そのうち最も減少数が多かったのが「中学生」カテゴリの登録者数である。全柔連登録者の「中学生」の数は、2004年度に48,485人だったが、2022年度には26,799人と2万人以上減少している。
 この全柔連登録者数の「中学生」の推移は、日本中学校体育連盟(以下、「中体連」とする)の柔道加盟生徒数の減少推移と概ね比例してきた。町道場やクラブなどの活動場所も存在する柔道でさえ、日本の多くのスポーツと同様に、学校の部活動が普及の中心を担ってきたといえる。部活動改革によって学校外へと活動の場を移すことが推進されるなか、中学生の柔道人口に着目することは大きな意義があると考える。
 これまで柔道人口の減少が議論される際には、講道館の入門者数や全柔連登録者数などがデータとして用いられてきた。また、柔道人口の減少傾向については、少子化による若年層の減少や教員採用数の減少に伴う専門指導者の不足、あるいは「イメージの低下による柔道離れ」など、柔道固有の問題に求められてきた。
 しかしながら、多様なスポーツがあるなかで学校がどの運動部を設置するか、複数の運動部のなかで生徒がどの部に入るかという選択は、単一のスポーツに内在する要素だけでは説明できないだろう。つまり、柔道部員の減少を考える際に、柔道のみの条件や数値だけでは十分に明らかにできないと考える。
 そこで本発表では、2001年度から2022年度の中体連の加盟生徒数・加盟校数に着目しながら、他競技との比較も交えたうえで中学生の柔道人口がいかにして減少してきたのかについて検討する。