日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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体育社会学/口頭発表①

2023年9月1日(金) 10:00 〜 11:17 RY304 (良心館3階RY304番教室)

座長:高橋 豪仁(奈良教育大学)

10:00 〜 10:25

[02社-口-01] Twitterにみられる高校野球指導者の語られ方

*森田 達貴1 (1. 早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科)

運動部活動の指導者が抱える困難については、部活動指導以外の業務との兼ね合いや、「競技/教育」を両立させた指導の難しさなどが論じられてきた。しかし、部活動のあり方が多様化している中で、もはや「運動部活動指導者の困難」を一括りに論じることはできない。森田ほか(2022)は、高校野球の指導者の困難に着目することで、高校野球の歴史・社会的な背景を要因とした困難を見出しているが、こうした困難は先行研究では論じられてこなかった。近年、運動部活動のあり方が見直され、その中で顧問教員(指導者)の負担軽減に関する議論が活発化していることも踏まえれば、これまでの議論で置き去りにされてきたような困難も拾いあげ、議論の俎上に載せることが必要である。すなわち、効果的な負担軽減策を見出すためには、困難の詳細な実態解明が不可欠であろう。他方で、森田ほかは周囲の期待や批判が高校野球指導者にとって困難になることを示唆しているが、具体的にどのような期待や批判が向けられ、指導者がそれをどのように受け止めているのかまでは明らかにしていない。そのため、まずは困難の実態解明に向けた基礎的な研究として、高校野球指導者に対する人々の見方・考え方に着目したい。
 そこで本研究では、Twitterにおける高校野球指導者の語られ方を明らかにすることを目的とする。本研究でTwitterを用いる理由は、自身の意見や考えを気軽に表明することができる点と、国内で幅広い年齢層が利用しているサービスという点で、本研究の問題関心に応える上で適していると考えたからである。方法としては、2022年以前の高校野球指導者に言及しているツイートを抽出し、計量テキスト分析を行う。様々な統計手法を用いた探索的な分析を行うことで、高校野球指導者について何が語られ、どのような感情が向けられているのかについて検討する。