10:26 〜 10:51
[02社-口-02] 応援活動に従事する「補欠」に関する研究
高校野球部でのフィールドワークをもとに
発表者は、日本の運動部活動における「補欠(公式戦に出場する権利のない部員が現れてしまうシステムやその部員の総称)」の活動実態や文化、メンタリティについて、高校野球を主対象に社会学の立場から探求している。
高校野球をはじめ多くの集団競技で、一般に日頃の練習の成果を発揮する場であると考えられている大会において、実際にはグラウンドでプレイをする「レギュラー選手」、試合への出場権利を有しているものも出場は未定であり、チームの支援を行うとされる「控え選手」、そして試合へ出場する権利がなく、スタンドでチームの応援をしているとされる「補欠部員」の大きく3つの活動様態が存在している。
それにもかかわらず、「応援は、スポーツ研究として周辺的な扱いにとどま」っている(丹羽,2020)。そして、限られた応援に関する研究では一般観客やファンに着目したものが多く、グラウンドの選手と同じ運動部に所属している「補欠部員」の応援に関する研究は、1つの事例研究しか見られない(福井・豊田,2020)。この研究では、応援活動に従事する大学生「補欠部員」の時間的な経過による心理的な変容や自己やチームへ及ぼすポジティブな影響を、1人のインフォーマントへの半構造化インタビューによって明らかにしている。しかし、単一事例であることや、ネガティブな側面に着目した考察がなされていないなどの限界が見られる。また、「レギュラー選手」と「控え選手」との大会の意味づけや「補欠」集団としての応援の意味について明らかにされていない。
そこで本発表では、或る高校野球部でのフィールドワークとインタビューで得られたデータをもとに、運動部員による大会の多様な関わりやメンタリティを明らかにするとともに、「補欠」個人のみならず「補欠」集団としての応援活動の意味について明らかにすることを目的とし考察したい。
高校野球をはじめ多くの集団競技で、一般に日頃の練習の成果を発揮する場であると考えられている大会において、実際にはグラウンドでプレイをする「レギュラー選手」、試合への出場権利を有しているものも出場は未定であり、チームの支援を行うとされる「控え選手」、そして試合へ出場する権利がなく、スタンドでチームの応援をしているとされる「補欠部員」の大きく3つの活動様態が存在している。
それにもかかわらず、「応援は、スポーツ研究として周辺的な扱いにとどま」っている(丹羽,2020)。そして、限られた応援に関する研究では一般観客やファンに着目したものが多く、グラウンドの選手と同じ運動部に所属している「補欠部員」の応援に関する研究は、1つの事例研究しか見られない(福井・豊田,2020)。この研究では、応援活動に従事する大学生「補欠部員」の時間的な経過による心理的な変容や自己やチームへ及ぼすポジティブな影響を、1人のインフォーマントへの半構造化インタビューによって明らかにしている。しかし、単一事例であることや、ネガティブな側面に着目した考察がなされていないなどの限界が見られる。また、「レギュラー選手」と「控え選手」との大会の意味づけや「補欠」集団としての応援の意味について明らかにされていない。
そこで本発表では、或る高校野球部でのフィールドワークとインタビューで得られたデータをもとに、運動部員による大会の多様な関わりやメンタリティを明らかにするとともに、「補欠」個人のみならず「補欠」集団としての応援活動の意味について明らかにすることを目的とし考察したい。