日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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保健/口頭発表②

2023年9月1日(金) 15:10 〜 16:13 RY305 (良心館3階RY305番教室)

座長:物部 博文(横浜国立大学)、片岡 千恵(筑波大学)

15:10 〜 15:25

[10保-口-05] 高強度運動直後におけるグレープフルーツ精油の匂い刺激がストレスホルモンに及ぼす影響

*古田 健人1、河野 寛也1、坂本 拓巳2、上田 真也3 (1. 岐阜大学大学院教育学研究科、2. 森ノ宮医療大学大学院保健医療学研究科、3. 岐阜大学教育学部)

【背景】アスリートは運動やトレーニング等のストレッサーに日々さらされている。アスリートにとって身体的・精神的ストレスおよび疲労からいかに素早く回復し、蓄積された慢性的な疲労を効率よく取り除くことがパフォーマンスの向上につながる。ストレスを評価する生理学指標としてコルチゾールがあるが、運動強度に依存して分泌量が増加することが報告されている。運動後にコルチゾール濃度を下げることができたのならば、アスリートが受けるストレスを軽減することができると考える。ストレスを軽減する方法としてアロマセラピーがある。アロマセラピーは精油を用いてその香りを楽しんだり、ストレスの解消などを目的に行われる。グレープフルーツ精油にはリフレッシュメント効果があると報告されており、ストレス解消に有効な手立てと言える。以上のことから、グレープフルーツ精油の匂い刺激が高強度運動直後のコルチゾールを下げ、ストレスを軽減する可能性が期待される。
【目的】高強度運動直後におけるグレープフルーツ精油の匂い刺激がストレスホルモンに及ぼす影響について明らかにすること。
【方法】健常な男子大学生9名を対象にした。自転車エルゴメーターを用いて30分間の高強度運動を行った後、座位の状態で、グレープフルーツ精油吸引と安静の2試行をランダムに15分間行った。測定項目は血中乳酸値、唾液中コルチゾール値、疲労感Visual analogue scores(VAS)とした。
【結果】血中乳酸値は運動前と比較して運動後は有意に高値を示した。唾液中コルチゾールはグレープフルーツ精油を用いた試行において、運動回復時が運動前に比べて有意に高値を示した。疲労感VASは運動前と比較して運動後と回復時で有意に高値を示した。
【結論】グレープフルーツ精油の香りは高強度運動後の疲労感を軽減させず、リフレッシュメント効果を発揮しない可能性が示唆された。