[12人-レクチャー-1] 中国におけるスポーツ文化遺産研究
<演者略歴>
厦門大学体育部講師、科学研究・大学院教育センター主任。2016年、「清水江苗族龍舟競漕の観光化変容」の研究で早稲田大学から博士号を取得。スポーツ人類学やスポーツ心理学の分野で多数の論文を発表している。現在、広島大学の訪問学者として来日中。
厦門大学体育部講師、科学研究・大学院教育センター主任。2016年、「清水江苗族龍舟競漕の観光化変容」の研究で早稲田大学から博士号を取得。スポーツ人類学やスポーツ心理学の分野で多数の論文を発表している。現在、広島大学の訪問学者として来日中。
ユネスコは2003年、「無形文化遺産条約」を採択した。これを受けて、2005年、中国は「無形文化遺産センサスマニュアル」を公布し、その分類体系において「遊芸、伝統スポーツと競技」を独立した分類項目にした。以来、中国の学者たちはスポーツと無形文化遺産との関連を明らかにし、この「スポーツ文化遺産」が広く「伝統舞踊」、「民俗」(節慶式と伝統的健康法を含む)などの分類の中に存在することを発見した。中国は人類の口頭と「遺産」プロジェクトをUNESCOに最初に申請したことを皮切りに、その後20年余りにわたって、トップダウンで国家、省、市、県(区)ごとに膨大な数の遺産リストとデータベースを形成してきた。そこで、本研究は文献法、インタビュー法などを用いて、中国におけるスポーツ文化遺産の保有状況と研究の現状及び発展脈絡を整理し、スポーツ文化遺産研究の動向を探っていく。主な内容は以下のとおりである。1. 中国の無形文化遺産体系と関連政策及びスポーツ文化遺産の分布、2. スポーツ文化遺産の概念、特徴、分類変遷、3. スポーツ文化遺産の機能と価値、保護と伝承、開発と利用などの状況、4. 近年の学術成果からスポーツ文化遺産研究の動向を探る。