日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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バイオメカニクス/口頭発表③

2023年9月1日(金) 16:00 〜 16:59 RYB1 (良心館地下1階RYB1番教室)

座長:長野 明紀(立命館大学)

16:00 〜 16:14

[05バ-口-11] Neural Networkによるヒトのシルエット抽出と人体モデルを用いたマーカーレスモーションキャプチャの精度検証

*大島 雄治1 (1. 久留米大学人間健康学部)

身体運動をバイオメカニクス的に分析する上で、身体部分の姿勢と位置、関節中心の位置などは最も基礎的なデータの1つである。これらの基礎データを計測する手段として、赤外線カメラを用いた手法(Marker-Based MoCap)が最も頻繁に用いられている。しかし、Marker-Based MoCapは、反射マーカーを身体に貼付する必要があるため、測定は実験条件に限られること、また、システムが非常に高価であることが問題となっている。この問題を解決するために、画面上の関節中心の位置を自動で推定するNeural Network(NN)を利用する手法が提案されており、再構築された3次元座標の精度検証が行われている。しかし、それらの先行研究では、 NNの学習に用いた訓練データの質が低いため、測定精度が低いことが分かっている。そこで、本研究では、オープンソースとなっている人体モデルとシルエット抽出のためのNNを用いたマーカーレスモーションキャプチャを開発し、関節中心位置についての3次元座標の精度を検証することを目的とした。提案手法の精度を検証するために、被験者1名に任意の移動速度での歩行を行わせ、それを較正済みのRGBカメラ8台で撮影した。撮影した画像から、まず、NNを用いて被験者のシルエットを抽出した。次に、その被検者のシルエットと再投影した人体モデルをマッチングさせ、下肢関節中心の3次元座標を求めた。結果として、1サイクル中における膝関節、足関節およびMP関節中心の平均誤差は5.5 mm、9.9 mmおよび9.9 mmであり、画面上の関節中心を推定するNNを用いた手法よりも誤差は小さかった。