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[05バ-口-10] フィギュアスケートのジャンプの種類による跳躍時の角運動量の違い
【緒言】フィギュアスケートにおいて、ジャンプは競技成績を決める大きな要素の一つである。滞空中に必要な回転数(回転速度)を得るには、跳躍時に十分な量の角運動量を生成していることが求められる。本研究では、6種類のジャンプについて跳躍時の身体重心まわりの角運動量を定量化し、その違いを検討した。【方法】7名の国内女子トップレベル選手による氷上での6種類の2回転ジャンプをモーションキャプチャシステム(500Hz)により撮影した。そして、跳躍時における身体重心まわりの全身の角運動量と、それに対して身体各部のセグメントが生成した角運動量が占める割合をそれぞれ算出した。Bonfferoni法を用いて有意水準を調整した上で、全てのジャンプ間の組み合わせで対応のあるt検定を用いて比較した。【結果・考察】跳躍時における全身の角運動量にはジャンプ間で有意差が認められなかった。一方、各セグメントが生成した割合はジャンプによって異なっていた。このことから、6種類のジャンプそれぞれで角運動量の生成方略が異なっている可能性が示唆された。