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[07発-口-02] 小中学生の50m走動作の構造と学年進行に伴う変化
【目的】小学4年生から中学3年生までの走動作の構造を明らかにするとともに学年進行による走動作の変化を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は小学校4年生から中学3年生までの男女のべ1278人であった。兵庫県内の公立小学校1校、中学校1校において2016年から2019年まで4年間調査を実施した。50m走の25〜35m区間の走動作を側方および前方より毎秒60コマで撮影した。光電管装置を用いて10m区間の通過時間を測定した。撮影された走動作について、動作因果関係を考慮した38項目の動作観点について評価した。得られた動作の得点についてカテゴリカル因子分析により因子を抽出し、抽出後プロマックス基準の斜行回転を施した。得られた因子得点の学年別変化並びに走タイムとの相関係数、身長をコントール変数とした偏相関係数を算出した。【結果】MAPならびに並行分析により5因子が適切であるとの結果から、5因子を抽出した。これら5因子において、全分散の38.6%が説明された。得られた因子はそれぞれ、F1:前後の動作(α=.783、以下同様)、F2ツイスト動作(.634)、F3接地動作(.551)、F4スイング動作(.445)、F5離地動作(.431)と解釈した。走タイムとの相関係数ならびに偏相関係数は男女ともにF1、F2では0.3-0.4程度の関連性が高く、特にF2では偏相関係数のほうが高い値を示した。学年進行による動作因子得点の変化は男女ともに学年進行によりF3、F5では得点は向上するが、F2、F4は低下する傾向を示した。F1においては男子は向上傾向であるが、女子は中学3年生になると低下した。これらの変化は身体発育の状況と関連することが示唆された。【結論】走動作因子として5因子抽出された。前後の動作、ツイスト動作は走タイムと高い関連性を示した。走動作は向上する動作と低下する動作に分類された。