4:55 PM - 5:14 PM
[03心-口-09] Estimating the causal eelationship between feedback cognition and learning outcomes in junior high school physical education
本研究では、中学校体育におけるフィードバックの認知と学習成果に焦点を当てた3時点の縦断調査を通じて、その因果関係について交差遅れ効果モデルをもとに検討を行い、効果的な指導内容や方法に関する知見を得ることを目的とした。
調査対象者は公立中学校3校の生徒で、2022年7月・11月・2月に実施した3回の調査に不備なく回答した596名(男子305名、女子291名)が分析の対象となった。調査内容は、山本ほか(2022)の「フィードバック認知測定尺度」(称賛、助言、授業態度に対する注意、運動技能に対する指摘)と、小野ほか(2018)の「体育学習観尺度」を参考として作成した学習成果を評価する項目群(以下「学習成果」:運動技術の習得、コミュニケーション能力の涵養、身体と運動に関する知識の修得、運動の魅力の感受、身体能力の向上)を用いて実施した。分析モデルは「各フィードバックを認知することによって学習成果に影響する」と、「学習成果が向上することによって各フィードバックの認知に影響する」という、それぞれの因果関係が推定される。分析はSEMによる分析モデルの検証を行い、各変数間の因果関係を示す交差遅れ効果について検討し、モデルの採択はCFIとRMSEAから判断した。
分析の結果、いずれのモデルにおいてもCFI=.986-.988、RMSEA=.073-.078であり、それぞれ十分な値が得られた。次に、フィードバックの認知と学習成果の因果関係の推定について述べると、1時点目から2時点目と2時点目から3時点目では、肯定的フィードバックを示す「称賛」や矯正的フィードバックを示す「助言」が学習成果に影響する結果がそれぞれ示された。特に、1時点目の助言は2時点目における学習成果を促進することが示唆された。一方、否定的フィードバックを示す「注意」や「指摘」は一部の学習成果に負に影響することが明らかになった。
調査対象者は公立中学校3校の生徒で、2022年7月・11月・2月に実施した3回の調査に不備なく回答した596名(男子305名、女子291名)が分析の対象となった。調査内容は、山本ほか(2022)の「フィードバック認知測定尺度」(称賛、助言、授業態度に対する注意、運動技能に対する指摘)と、小野ほか(2018)の「体育学習観尺度」を参考として作成した学習成果を評価する項目群(以下「学習成果」:運動技術の習得、コミュニケーション能力の涵養、身体と運動に関する知識の修得、運動の魅力の感受、身体能力の向上)を用いて実施した。分析モデルは「各フィードバックを認知することによって学習成果に影響する」と、「学習成果が向上することによって各フィードバックの認知に影響する」という、それぞれの因果関係が推定される。分析はSEMによる分析モデルの検証を行い、各変数間の因果関係を示す交差遅れ効果について検討し、モデルの採択はCFIとRMSEAから判断した。
分析の結果、いずれのモデルにおいてもCFI=.986-.988、RMSEA=.073-.078であり、それぞれ十分な値が得られた。次に、フィードバックの認知と学習成果の因果関係の推定について述べると、1時点目から2時点目と2時点目から3時点目では、肯定的フィードバックを示す「称賛」や矯正的フィードバックを示す「助言」が学習成果に影響する結果がそれぞれ示された。特に、1時点目の助言は2時点目における学習成果を促進することが示唆された。一方、否定的フィードバックを示す「注意」や「指摘」は一部の学習成果に負に影響することが明らかになった。