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[11教-口-13] サッカーを素材とした体育授業プログラムの開発(6)
小学校6年生における空いているところから攻撃の検証
日本サッカー協会は、小学校の授業で誰もがサッカーの楽しみに触れるため、ゲームを中心とした単元プログラムを開発し、「新・サッカー指導の教科書」として出版している。本研究では、6年間の縦断研究で追跡している小学生を対象として、ボール運動領域のサッカーを素材とした単元を実践し、プログラムの効果を検証した。低学年(キック、ドリブル)、中学年(パス、シュート)の学習内容を踏まえ、高学年では、集団戦術をテーマとしている。6年生では、30名の児童を4チームに分けて、パス&ゴー、4ゴールゲームをタスクゲームとして実施し、メインゲームとしてフィールダー4名とゴールキーパー1名のゲームを行った。ゲームでは、4分のハーフの後、兄弟チームでフィールダーを交代する。コートの大きさは30m×20m、ゴールは縦2m×横5mである。授業の指導は、教育実習生や特に体育を専門としない教員が行い、メインゲームのゲームパフォーマンスの変化を中心に分析した。授業の活動量(歩数)は、単元が進むにつれて1人あたり平均で3,105歩から3,924歩に向上した。メインゲームのパフォーマンスでは、4時間目と6時間目の比較で触球数が各授業の平均で7.8回から11.1回に有意に増加した。5年次と比較するとドリブルが増えているもののパスが6.1から13.9回に増え、パスによって集団的に攻めることができるようになっていることが窺えた。味方の状況を把握したパスや適切な位置に移動してパスを受けようとするオフザボールの動きも増加したと考えられ、本プログラムによってゴール型の特性である仲間と協力した集団戦術を向上させる効果が示唆され、サッカーの特性を大切にしたゲームの実施が可能と考えられた。