16:27 〜 16:57
[00哲-口-09] 体育の学とはなにか
体育学の未来へ向けた指針の検討
発表者が今夏に道和書院より上梓する単著『体育の学とはなにか』をめぐる著者解説であり、公刊の意義を明示しながら次の問いに答える。すなわち「体育学とはどのような学問であるか」、あるいは「体育学の冠名称に位置付く体育の実質とは何か」との問いに対し、現行の体育学に属する全分野の知を動員して回答する。「体育Taiiku」とは、『「生きる充実」としてのWell-Beingの実現を目指す人間が行う身体活動』の総体を意味する言葉であり、概念である。また「体育学Study of Taiiku」とは、人間の身体活動(身体運動)を研究対象として上記Well-Beingの実現を期す学問分野である。特に体育学は研究方法において医学に深い影響を受けつつも、勝利や健康など人間が生きるに際して裨益する価値の達成を目指す学問でもある。著作『体育の学とは何か』のテキストを引くならば、「身体活動においてよりよく動き、よりよく生きるための生き方」を学問から解明する応用科学、身体活動科学。これが「体育の学Study of Taiiku」としての体育学である。
発表の手順は著作の構成に沿う。体育学の現状と課題を述べる序章に引き続いて体育学人文科学系を論ずる第一章、心理学を含めた体育学社会科学系を述べる第二章、そしてスポーツ科学をはじめとした自然科学研究を扱う体育学医科学系研究のそれぞれの議論内容を祖述する。序章と第三章の末尾では21世紀以降の複数回にわたって発信された、身体活動をめぐる日本学術会議提言の内容の検討にも議論が及ぶ。また著作の総括に相当する「結論」では、体育学の全体像および独自性といった体育哲学分野の伝統的な論題と絡めて「体育Taiiku」「体育学Study of Taiiku」の実質を解明する。
今般の著作『体育の学とはなにか』は、2021年度の体育学会・学会賞の受賞論文を大幅に増強して新たに書き下ろされた書物である。
発表の手順は著作の構成に沿う。体育学の現状と課題を述べる序章に引き続いて体育学人文科学系を論ずる第一章、心理学を含めた体育学社会科学系を述べる第二章、そしてスポーツ科学をはじめとした自然科学研究を扱う体育学医科学系研究のそれぞれの議論内容を祖述する。序章と第三章の末尾では21世紀以降の複数回にわたって発信された、身体活動をめぐる日本学術会議提言の内容の検討にも議論が及ぶ。また著作の総括に相当する「結論」では、体育学の全体像および独自性といった体育哲学分野の伝統的な論題と絡めて「体育Taiiku」「体育学Study of Taiiku」の実質を解明する。
今般の著作『体育の学とはなにか』は、2021年度の体育学会・学会賞の受賞論文を大幅に増強して新たに書き下ろされた書物である。