日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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測定評価/キーノートレクチャー/体育・スポーツ・健康科学における追跡データの構築と分析方法―データ結合時に役立つテクニック―

2023年9月1日(金) 14:00 〜 15:00 RY204 (良心館2階RY204番教室)

司会:大藏 倫博(筑波大学)

[08測-レクチャー-1] 体育・スポーツ・健康科学における追跡データの構築と分析方法

データ結合時に役立つテクニック

*角田 憲治1 (1. 山口県立大学)

<演者略歴>
博士(体育科学)。筑波大学大学院体育科学専攻を修了後、(公財)明治安田厚生事業団体力医学会研究所研究員を経て現職。高齢者や健診・人間ドック受診者を対象とした運動・スポーツ疫学、公衆衛生学を専門とする。本学会では「測定評価」専門領域に所属。
近年、医療機関や行政と連携した研究・事業だけでなく、社内・学内業務など様々な場面でデータセットを結合する機会が増えている。結合するデータが数千例以上に至る場合、機械的に結合する技術が必要になる。本企画では、SPSSを例にデータセットの結合(IDによるマッチング)の具体的方法と、結合前にケアしておくべきポイントについて解説する。代表例としては、個人データの重複が挙げられる。想定外に個人データに重複がある場合や、そもそもが「縦持ちのデータ」の場合(各被験者と同一被験者の時系列が同列に縦方向に入力されている状況)では、単純に結合はできない。演者の経験では、前者ではwebアンケート調査があり、同一個人が2度回答してしまっていることがある。後者には、医療データや行政データが当てはまり、次々と縦方向にデータが蓄積されていく設計になっている。こうしたケースにおいて1対1でデータセットを結合する場合には、重複IDの処理が必要になる。この結合技術は、特に時系列データを扱う上で不可欠であり、その需要は高まっている。本企画では、結合の具体的な操作から統計解析までの一連の流れを解説する。