日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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測定評価/口頭発表③

2023年9月1日(金) 15:10 〜 16:09 RY204 (良心館2階RY204番教室)

座長:村山 敏夫(新潟大学)

15:40 〜 15:54

[08測-口-11] 大学不適応症状を有する初年次学生のレジリエンスレベルと行動特性

*佐藤 進1 (1. 金沢工業大学)

学生が精神面の不調や大学への不適応、不登校、その先の休学・退学・除籍に陥る背景や原因は様々である。多くの大学において学生の学力や特性などの多様化への対策が求められるなか、不適応症状を有する学生の特徴や行動特性を理解することにより、予防や対処方法へのヒントが得られる可能性が考えられる。大きな人的・環境的変化を伴うストレスフルな状況下で学生生活を送ることになる新入生にとって、それらに対峙したときの行動特性や考え方の特徴の違いは、学生が抱えるネガティブな出来事や問題の発生や回避と関係があるかもしれない。
 本研究では、不適応症状を有する初年次学生におけるレジリエンスレベルと行動特性について検討することを目的とした。新入生2542名に対し、メンタルヘルス(ストレス度、うつ度、疲労度)、大学不適応症状、レジリエンス特性、ストレス対処行動特性等について質問紙により調査した。不本意入学や学業へのつまずき感などの大学不適応症状を有する学生のメンタルヘルスやストレス対処行動などの特徴を、レジリエンスレベル(低・中・高)別に比較した。不本意入学や学業へのつまずき感などの不適応症状を有する者において、メンタルヘルスやポジティブ対処行動については、レジリエンスレベルの高い者の方が良好な傾向を示した。また、学業へのつまずき感を有する者のネガティブ対処行動特性はレジリエンスレベルによる違いは認められなかった。