日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 13:00 〜 14:00 RY449 (良心館4階RY449番教室)

[09方-ポ-35] 日本人大学男子選手の試合におけるサーブ動作の技術的課題の抽出

*堀内 健太郎1、杉田 正明2、沼津 直樹2、阿江 通良2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)


硬式テニスでは、サーブは最も重要な技術であるといわれているが、日本人大学男子選手はサーブに課題があると報告されている。しかし、そのサーブ動作の技術的課題については明らかにされていない。そこで本研究では、日本人大学男子選手を対象として、試合中のサーブ動作を分析し、ラケットスピードの異なる群間で動作を比較することで、技術的課題および指導への示唆を得ることを目的とした。対象は、公式戦および模擬試合に出場した大学男子選手28名で、競技レベルは、インカレ優勝から地区予選1回戦レベルであった。デュースサイドから打球された試技の中で最もボール速度が大きい試技をそれぞれ選択し、分析した。群分けは、平均ラケットスピード39.0m/sより大きい選手をSuperior Group(n=12 ; 以下、SG)、それ以下の選手をInferior Group(n=16 ; 以下、IG)とした。 その結果、インパクトパラメータでは、ラケットスピード(SG:42.71±1.80m/s、IG:36.23±1.76m/s)およびボールスピード(SG:50.22±2.88m/s、IG:44.59±3.10m/s)において有意な差がみられた。動作では、上肢においては、IGが準備局面において挙上が早いこと、主要局面においてラケットの後傾のタイミングが早いという相違がみられた。準備局面での早い挙上は、肘の下がりを早め、肩の外旋を妨げるため、技術的課題であると考えられた。主要局面でのラケットの早い後傾は、ラケットスピードへの貢献が大きい手関節の掌屈を妨げていると考えられる。次に下肢では、IGが準備局面および主要局面序盤において体幹の後傾が大きく、両腰の反時計回りの水平回転が大きかった。これらは、体幹の回転を妨げると考えられた。したがって、IGは、これらの技術的課題を改善することでラケットスピードを改善できることが示唆される。