日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育心理学(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 10:00 〜 11:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[03心-ポ-15] 自己調整学習と心理的競技能力の関係

大学生アスリートを対象とした質問紙調査

*藤原 由規1、土屋 裕睦2 (1. 大阪体育大学大学院、2. 大阪体育大学)


【目的】本研究は大学生アスリートの自己調整学習と心理的競技能力の関係を明らかにすることを目的とした。【方法】調査は体育系大学に所属する大学生(男性173名、女性66名)の競技継続者を対象とした。調査内容は、フェイスシート(学年、競技種目、性別)、スポーツ版自己調整学習尺度(幾留ほか, 2017)、心理的競技能力診断検査(株式会社トーヨーフィジカル)であった。分析方法は、スポーツ版自己調整学習尺度の5下位尺度(計画、自己効力感、セルフモニタリング、エフォート、評価・内省)と、心理的競技能力診断検査の5因子(競技意欲、精神の安定・集中、自信、作戦能力、協調性)についてPearsonの積率相関係数を用いた相関分析を行った。分析にSPSS27.0.1(IBM社製,SPSS Statistics)を使用し、統計学的な有意水準は5%とした。【結果と考察】自己調整学習の5下位尺度と心理的競技能力の「競技意欲」に有意な正の相関(r≧.40)が認められた。また、自己調整学習の「計画」と心理的競技能力の「協調性」、自己調整学習の「自己効力感」と心理的競技能力の「自信」「作戦能力」、自己調整学習の「エフォート」と心理的競技能力の「協調性」、自己調整学習の「評価・内省」と心理的競技能力の「作戦能力」「協調性」に有意な正の相関(r≧.40)が認められた。その他の自己調整学習の下位尺度と心理的競技能力の因子に有意な正の相関(r≧.20)が認められた。しかし、自己調整学習の5下位尺度と「精神の安定・集中」に有意な相関が認められなかった。この結果から、練習の質は試合場面において重要であることが示唆された。しかし、試合で精神をコントロールする能力には別の要因がある可能性が示唆されたため、今後も検討していく必要がある。