日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育心理学(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 10:00 〜 11:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[03心-ポ-27] 日本語版スポーツコミットメント尺度2改訂版の作成

*折茂 紗英1、高井 秀明2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)


スポーツコミットメントとは「スポーツ参加を続ける願望と決心を表している心理上の概念」であり(Scanlan et al., 1993)、スポーツに参加することで、次第にスポーツコミットメントが形成され、スポーツ実施の継続につながるといわれている(金崎,1992)。Scanlan et al.(2016)によって、これまでにスポーツコミットメント尺度2(以下SCQ-2)が作成され、様々な言語でその因子構造が確認されている。折茂・高井(2022)は日本語版のSCQ-2を作成してその因子構造を確認しているが、コミットメントに関する因子が削除されているため、その内容には再検討の余地があるだろう。そこで、本研究においては日本語版のSCQ-2について、原版を参考に因子構造を考慮した再度因子分析を実施し、下位尺度間の関連について検討することとした。本研究では折茂・高井(2022)で利用した283名(男性136名,女性147名,平均年齢20.35±0.52歳)のデータを活用し、再分析を行った。探索的因子分析で8因子24項目が得られ、確認的因子分析で十分な値が確認された。なお、原版の下位尺度であった「価値ある機会」「社会的制約」「社会的サポート-情緒的」は本尺度から削除された。次に、日本語版SCQ-2における下位尺度間の共分散構造分析を行ったところ、十分な適合度の値を示した。また、「卓越への願望」「スポーツの楽しさ」「その他の優先事項」「個人的投資-損失」は「熱狂的コミットメント」に対して有意な正の影響を与えた。「その他の優先事項」「個人的投資-損失」は「強制的コミットメント」に対して有意な正の影響を与え、「スポーツの楽しさ」は「強制的コミットメント」に対して有意な負の影響を与えた。また、スポーツコミットメントにおける大学生アスリートの特徴としては、男女間で有意差はみられなかった。