[03心-ポ-67] 注意の種類の違いが強度の異なる有酸素性運動中の身体的きつさに及ぼす影響
【背景】本研究は、有酸素性運動中の身体的きつさが、注意の種類と運動強度の違いよってどのように変化するかを明らかにすることを目的とした。【方法】成人健常男性11名(22.5±2.0歳)を対象に、4つの注意条件×3つの運動強度(40%、 50%、60%VO2max)を用いた計12回の10分間のサイクリング運動を実施した。10分間のサイクリング運動中、呼気ガスデータを連続採集し、それに加えて、身体的なきつさ(RPE)を測定した。注意条件として、運動中の身体情報に注意を向ける条件(associative条件)、モニタに注意を向け特定の単語が出てくる回数を数える条件(visual条件)、流れてくる音声に注意を向け、特定の単語が聞こえてくる回数を数える条件(audio条件)、指示のない条件(control条件)の4条件を設定した。実施する運動の強度および注意条件は対象者ごとにランダムに設定した。運動中に測定したVO2、HR、およびRPEに関して、対象者の個人差を変量効果、注意条件と経過時間を固定効果とする二要因分散分析を混合モデルで各運動強度ごとに分析した。【結果】運動中に測定したVO2、 HRおよびRPEに関して、40%VO2maxでのサイクリング運動時にのみ、注意条件の有意な固定効果が認められた。RPEに関して、visual条件と比較して、control条件の方が有意に高い値を示し、また、visual、audio条件と比較して、associative条件の方が有意に高い値を示した。【結論】外的注意によるきつさ軽減の効果は、運動強度の増大に伴い小さくなる可能性がある。また、外的注意によるきつさの軽減は、呼吸循環器系反応の変化によって生じる可能性が示唆された。