日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(偶数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 14:00 〜 15:00 RY452 (良心館4階RY452番教室)

[09方-ポ-56] 国内男子砲丸投競技者における回転投法とグライド投法のパフォーマンス分析

*加藤 忠彦1、前田 奎2、水島 淳3 (1. 湘南工科大学、2. 京都先端科学大学、3. 東洋大学)


砲丸投には回転投法とグライド投法があり,我が国では両投法が共存しているが,回転投法を採用する競技者が着実に増えてきている.特に男子の世界レベルでは回転投法が圧倒的な主流であり,バイオメカニクスやパフォーマンス分析の観点からも,高いパフォーマンスを発揮する上での回転投法の優位性が明らかされてきた.一方で,世界に比べて競技力が大きく劣る日本人競技者において,回転投法がグライド投法と比較して,どのような優位性や特徴を有しているかについては未だ明瞭な答えが得られていない.そこで,本研究では日本の男子砲丸投競技者を対象に,競技会の結果を回転投法とグライド投法との間で比較し,両投法の特徴を明らかにすることを目的とした.2004年から2022年までに開催された日本陸上競技選手権大会,合計19試合を対象に,各試合の上位12名の競技結果と投法を調査した.その結果,延べ数で回転投法の採用者は64名,グライド投法の採用者は157名であった.両投法の間で,シーズンベスト記録や,試合時の記録に有意な差は認められなかったが,シーズンベストに対する試合時の記録のパフォーマンス率はグライド投法が有意に高かった.また,無効試技(ファール)の割合は回転投法が有意に高かった.以上の結果から,日本人における回転投法は,安定した高いパフォーマンスの発揮という点において,グライド投法に劣っている可能性が示唆された.