日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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発育発達/ポスター発表

2023年9月1日(金) 10:00 〜 11:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[07発-ポ-04] 児童における運動習慣・遊び経験と筋力発揮調整能の関連性

*小板橋 京汰1、村瀬 杏1、西垣 景太2、岡本 武志2 (1. 東海大学健康学研究科、2. 東海大学健康学部)


【背景】近年、幼少期の頭部や顔部の怪我が増加している。それらは日々の運動や遊び経験不足による目的に応じて力を調整する能力(筋力発揮調整能)の低下が要因と考えられる。 【目的】児童を対象に、運動習慣や遊び経験と筋力発揮調整能の関連性について明らかにすることを目的とする。 【方法】被験者はK県の総合型地域スポーツクラブに通う児童30名(男子23名、女子7名 9.2歳±1.1歳)を対象とした。筋力発揮調整能の測定は、画面上に映し出される相対的要求値(5%~25%)を0.1Hzで変動する正弦波で表示した。利き手による握力発揮で試行回数は3回であり、各試行時間は45秒とした。評価は各試行において、開始5秒間のデータを除外した要求値と発揮値の誤差の総和(%)を絶対値化し、最も少ない誤差総和(%)を採用した。運動習慣は運動経験量(実施時間×実施頻度×実施年数)として算出し、遊び経験は現在・過去の遊び頻度(週)と遊び種目数を調査した。 統計解析について、低学年(11名)と高学年(19名)に群分けし、筋力発揮調整能の差を検討するためMann-WhitneyのU検定を行った。また筋力発揮調整能と運動経験量,遊び経験の関連性を検討するため、スピアマンの順位相関係数を算出した。遊び経験については、3年生10名を分析対象とした。 【結果】低学年と高学年の筋力発揮調整能について、有意な差は認められなかった。筋力発揮調整能と運動経験量について、有意な関連性は認められなかった。3年生において、2年生時の遊び経験数と有意な関連性が認められた。【まとめ】筋力発揮調整能は、低学年と高学年で有意な差が認められなかったことから、早期に獲得している可能性が示唆された。また、スポーツクラブ等の所属による運動経験量との関連性はみられず、過去の遊び経験数と関連性がみられたことから、過去の多様な遊び経験が重要である可能性が示唆された。